見のシーズンに突入すると、日本全国さまざまな所でが楽しめます。にぎやかに宴会を楽しむ、桜並木を楽しむなど、桜見物は人それぞれですよね。

その中でも、山全体が桜で覆われ、清らかな気持で桜を愛でる場所があることをご存知ですか?

奈良県の吉野山は、古くから信仰の地として知られ、山全体が桜色に染まる名所としても知られています。

世界遺産にも指定された霊場、吉野山の桜2024年の見頃、開花予想・満開予想、そしてアクセスのルートについても紹介します。

吉野山の桜の特徴と見どころ

野山全体を包み込む桜の木々は、シロヤマザクラを中心として、約200種3万本もあると言われています。

その数は今も増え続け、毎年植樹され続けているんです。

吉野山の桜1

吉野山は修験道の聖地であり、総本山である「金剛峯寺」(きんぷせんじ)があります。修験道では、吉野山そのものが信仰の対象とされ、桜の木はご神木として崇められてきたんですね。

それで平安時代より、信者の方が献木という形で、吉野山に桜を植え続けられてきました。その結果が、約3万本とも言われる、山全体を覆い尽くす桜の木々なのです。

吉野山は4つのエリアそれぞれに見どころが!

吉野山は大まかに4つのエリアに分けることができます。

入り口付近から、

  • 下千本(しもせんぼん)
  • 中千本(なかせんぼん)
  • 上千本(かみせんぼん)
  • 奥千本(おくせんぼん)

となります。

エリアごとに見どころが違いますが、奥へすすむに連れ、標高も高くなります。

下千本

下千本(しもせんぼん)で見ておきたい桜の名所は、下千本駐車場近くの「下千本展望所」です。

ここから見える蔵王堂と桜の取り合わせは、写真撮影の名所。その蔵王堂には風情の違う4種類の桜があり、その違いを愛でるのも面白いですよ。

中千本

中千本(なかせんぼん)からは、「これぞ吉野山!」という風景が続きます。

絶対に見ておきたいポイントは、「吉水神社境内」からの風景。ここからの風景は、一目に千本見える豪華さという意味をこめて「一目千本(ひとめせんぼん)」と呼ばれ、吉野山を代表する名スポットです。

上千本

上千本(かみせんぼん)での絶景ポイントは「花矢倉展望台」(はなやぐらてんぼうだい)です。

標高も600mほどあり、展望台から見下ろす光景は、遠く奈良・大阪まで見通せます。豪華絢爛に咲き誇る、満開の桜も素晴らしいですが、桜が散るころの桜吹雪には圧倒されますよ。

奥千本

吉野山で一番高い場所となる奥千本(おくせんぼん)には、実はそれほど桜は多くありません。

その代わり、高城山展望台(たかぎやまてんぼうだい)から眺める景色は、絶景の一言につきます。

上千本の花矢倉展望台が豪華絢爛と表現するならば、こちらの景色は厳かそのもの。周りの空気と相まって、心が洗われ、神秘的ですらあります。

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吉野山の桜2024年の開花時期や見頃は?

吉野山は平地より高い場所にあるため、奈良県の開花宣言よりも5日から10日ほど遅くなります。更に標高が上がるにつれて、2日ほど開花が遅れるものと考えるとわかりやすいでしょう。

2023年では、3/30~4/3頃に満開となっています。

ちなみに、吉野山の過去の開花は次の通りです。

1段目が開花日付、2段目が見頃期間になります

年度下千本中千本上千本奥千本
2019年3/31
4/7-4/16
4/2
4/8-4/17
4/6
4/11-4/20
4/14
4/22-4/25
2018年3/27
3/31-4/5
3/28
4/1-4/5
3/31
4/3-4/6
4/3
4/7-4/11
2017年4/7
4/11-4/17
4/8
4/12-4/18
4/11
4/15-4/19
4/16
4/20-4/25
2016年3/29
4/4-4/8
4/1
4/5-4/10
4/3
4/7-4/11
4/9
4/12-4/15
2015年4/1
4/5-4/9
4/3
4/6-4/11
4/4
4/7-4/13
4/10
4/14-4/17

吉野山の桜3

2024年(令和6年)の奈良の長期予報を見た限りでは、今年の冬はやや高い気温が続き概ね暖冬傾向です。3月以降の天気にも左右されますが、ただ寒い日も多くある可能性も高く、休眠打破も進むとみられます。

ほぼ平年並みの開花になりそうですので、奈良平野部の開花は3月24日頃、見頃は3月末頃になるのではないでしょうか。

平地での開花宣言と、吉野山の開花宣言の日にちのずれ、さらに吉野町のHPの発表などから考えて、2024年の吉野山の開花は以下の表のようになりそうです。

吉野の桜2023年の開花予想日2023年の満開予想日
下千本3月27日前後4月2日前後
中千本3月28日前後4月3日前後
上千本3月30日前後4月7日前後
奥千本4月3日前後4月13日前後

山全体が桜色に染まる時期は、それぞれの満開時期などから考えて、4月7日頃かそれ以降になるのではと予想されます。

吉野山へのアクセス情報

車で

    • 大阪からのルート

南阪奈道路の葛城ICを出てそのまま大和高田バイパスに乗り、終点で降りて国道169号線で吉野に向かいます。

    • 京都からのルート

京奈和自動車道の木津ICを出て奈良バイパスで郡山→橿原バイパスで橿原を降り、国道169号線で吉野に向かいます。

    • 名古屋からのルート

東名阪自動車道の亀山ICを出て、名阪国道で針ICを降り、国道369号、370号線を経由し吉野に向かいます。

また、吉野山の下千本までで行く事が可能であり、駐車場は1500円になります。

*吉野山観光駐車場(下千本駐車場)400台駐車可

ただし、桜シーズンは非常に混雑します。吉野山観光駐車場以外にも、臨時駐車場も設けられますが、早々と満車になることも多く、できれば公共の交通機関を利用して、山の自然を楽しみながら行くのがおすすめですね。

なお桜鑑賞期間の土日などは、臨時駐車場から吉野山駅付近までの無料シャトルバスも出ています

下千本までのアクセスは?

吉野山へ行くには、近鉄吉野線を利用します。

終点「吉野駅」で下車後、吉野山ロープーウェイのケーブル千本口駅に乗り換え、ケーブル吉野山駅で下車するとそこが下千本です。


なお、ロープウェイの料金は大人450円、小人230円です。

また、ロープウェイの本数は1時間に1~2本と少ないため、可能であれば七曲坂を歩いて下千本まで登るのもいいですね。徒歩で20分ほどですので、桜を楽しみながら登るのはおすすめですよ。

中千本までのアクセスは?

桜シーズン中は、近鉄吉野駅から中千本公園まで、奈良交通による臨時バスが出ていますのでこちらを利用しましょう。料金は大人片道450円・往復800円(小学生以下は片道230円・往復400円)です。

臨時バスの運行は1時間2本程度ですが、桜の見頃シーズンは1時間4便程度に増便される予定です。

参考リンク:観桜期の交通 -吉野町HP-

さらに上千本・奥千本を目指すなら?

上千本・奥千本を目指すなら、ケーブルバスを利用しましょう。

通常時は、吉野神宮から、奥千本の「奥千本口」まで、名所、展望所、寺院前に停車しつつ周りますが、桜シーズン中は、竹林院前 ⇔ 奥千本のみの運行となります

そのため、中千本公園まで臨時バスで移動し、竹林院まで少し歩いてケーブルバスに乗るといいです。バスの料金はおとな400円、子供200円、1時間に2本程度の運行になります。

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山への敬意を忘れずに

吉野山は世界遺産にも指定されており、季節を問わず観光客で賑わいます。

元々は信仰の場であり、今もその名残はあちこちで見受けられます。山への敬意をおろそかにするような行為は、出来る事なら慎みたいものですね。

浮き立つ気持ちをぐっと抑え、ここは静かに神聖なる桜を体全体で味わいませんか?