見た目はミニトマトくらいの大きさの小さなスイカで、「きゅうりメロン」もしくは「マイクロきゅうり」とも呼ばれるユニークな野菜(果物?)が、最近人気になってきています。
初めて見る人は「これはきゅうり?メロン?スイカ?」「野菜と果物、どっちなの?」と不思議に思ってしまいそうです。
まだまだ知らない人も多いきゅうりメロンとは一体どんな食べ物なのか、原産地や栄養、レシピについて紹介します。
きゅうりメロンとは?
まずはきゅうりメロンとはどんな植物なのか見てみましょう。

原産地
日本ではまだ目新しいので、品種改良で最近誕生した作物なのかと思ってしまいそうですが、メキシコ・中央アメリカが原産で、その地域で古くから自生していた植物です。
現地で食用に栽培されていたのがアメリカで商業用に栽培されるようになり、見た目、味、育てやすさからアメリカ・ヨーロッパで人気が広まりました。
名称
メキシコなどの現地では見た目そのまま「小さいスイカ」と呼ばれています。
栽培が広まったアメリカでは、「Mexican miniature watermelon」、「cucamelon」、「mouse melon」など、いろいろな名前で呼ばれている人気のある食材です。
日本で知られるようになったのはここ数年のことで、日本では「cucamelon(キュカメロン)」を直訳した「きゅうりメロン」、また「マイクロきゅうり」の名称で広まり、他には「スイカきゅうり」「ワイルドきゅうり」と表記されることもあります。
味・食感・旬
きゅうりメロンは皮をむかずそのまま生で食べることができます。
味・香りは「ライムのよう」とも例えられ、さわやかな酸味のきゅうりという感じです。
日本での種まき時期は春先から夏にかけてで、80日ほどで収穫できるようになります。
きゅうりメロンは野菜?それとも果物?
きゅうりメロンはウリ科の植物です。そして、植物学上はキュウリ、メロン、スイカはどれも同じウリ科に属し、カボチャ、ウリも同じ仲間です。
「メロン」や「スイカ」という果物の名前が含まれることから、フルーツとして紹介されていることもあるきゅうりメロンですが、実際には野菜と果物どちらなのでしょうか。
日本においては、農林水産省が定めた行政上の区分では「果実は果樹になるもの」とするため、メロン、スイカ、そしてイチゴもその区分上は野菜となります。しかし、一般的には果物として消費されるため「果実的野菜」として扱われます。
また、英語では「fruits(フルーツ)」は果実全般を指すため、ナスやトマト、キュウリなども含まれることになります。
その作物の消費のされ方によって国ごとにも扱いが異なり、野菜と果物の定義は明確ではない部分があるのが実情です。
後で食べ方やレシピについても紹介しますが、果実を食用にするきゅうりメロンは英語圏では「fruits(フルーツ)」に分類されていても、日本ではほぼキュウリと同じように食べられているので、野菜として扱われていきそうです。

きゅうりメロンの栄養は?
きゅうりメロンの栄養については研究途中で、まだはっきりしたことは分かっていません。
しかしながら、同じウリ科のキュウリやメロン、スイカと同じように、比較的カリウムとビタミンCが多く含まれていると考えられます。
カリウムは体内の余分な水分の排出を促し、むくみ改善に役立つことがよく知られていますが、神経の伝達や筋肉の収縮などにも関わる栄養素であり、不足すると脱力感・食欲不振といった夏バテの症状が現れます。
夏場は特に汗や尿と共にナトリウムやカリウムなどのミネラルが流れ出てしまうため、水分だけでなくミネラルの補給も大切です。
夏野菜は水分が多く、カリウムの他にもビタミン・ミネラルが少量でもバランスよく含まれています。旬の野菜や果物を食べることで、夏バテ防止につながります。
また、ビタミンCは紫外線によるシミ・そばかすを予防する効果があるとされ、こちらも夏場に積極的に摂りたい栄養素です。
きゅうりメロンはどうやって食べるの?
きゅうりメロンは皮ごと食べられるので、下ごしらえの手間もかかりません。
そのまま食べる他、カットもしくはスライスしてサラダに入れたり、スムージーや漬物(浅漬け、ぬか漬け、塩麹漬け、ピクルス)などに利用できます。
いつもと同じサラダや漬物も、きゅうりメロンを使うことで新鮮な感じがします。
きゅうりメロンのピクルスのレシピ
夏バテ防止にはピクルスがおすすめです。お酢の酸味が食欲を増進させ、豊富に含まれるクエン酸が疲労回復を促してくれます。
お酢や砂糖の分量はお好みで加減して、夏の常備菜にしてみましょう。
■[ピクルス]マイクロキュウリとミニトマトでピクルスづくり
きゅうりメロンはどこで手に入る?
きゅうりメロンをまだ見たことがないという人も多いでしょう。どこで販売されているのでしょうか。
直売所で
日本ではまだ一般のスーパーには流通しておらず、近くに栽培している農家さんがあれば道の駅などの直売所で見ることができます。珍しい野菜ですが、栽培が簡単で収穫性も高いので、見つけることができれば他の夏野菜と同じくらいの値段で購入できます。
家庭菜園で
乾燥や害虫に強く初心者でも育てやすいので、自宅で栽培するものおすすめです。
種もホームセンターなどの店舗ではまだ流通していないため、ネットショップで取り寄せるのが良いでしょう。価格はお店にもよりますが、種20粒で350円ほどから購入できます。
つる性の植物なので夏は日よけのグリーンカーテンとしても活用でき、可愛い見た目のきゅうりメロンが鈴なりなる様子も楽しめますよ。

夏野菜の新定番?きゅうりメロンを楽しもう
まだ日本に入ってきて間もなく、珍しいきゅうりメロンですが、見た目や味がユニークで栽培も簡単なことから、日本でも広まりそうな野菜です。小さなスイカのようなかわいらしい外見は、そのままおかずの一品になりますし、インスタ映えにもなりそうですね。
これから話題になりそうなきゅうりメロンを、一足先に食卓に登場させてみてはいかがでしょうか。
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