ララ」という名前の白いナスを見たことがありますか?

日本で流通しているナスの大半は紫色で細長い形をしていて、それ以外の色・かたちのナスはあまり見かけませんよね。

今回は数多くあるナスの品種の中から、日本ではあまり流通していないイタリアナス「クララ」について、その特徴やおすすめの食べ方をお伝えします。

イタリアナス「クララ」とは?

まずはクララの見た目・味・食感などの特徴と、世界のナスの種類について紹介します。

クララ1

クララの特徴

「クララ(Clara)」という女性の名前が付いたこのイタリア原産のナスは、日本ではあまりなじみのない白色で、卵のような楕円形の見た目が特徴的です。ナス(茄子)は英語で「egg plant」、直訳すると「卵の植物」ですが、その呼称にピッタリ当てはまるような外見をしています。

皮も果肉も白色で、ガクは緑色、大きさは長さが12cm~18cmほどです。

皮は日本で普段食べる紫色のナスよりやや固めですが、逆に果肉は柔らかく種も少ないので、加熱するととろけるような食感と甘さを楽しめます。アクも少なくまろやかな味わいで、イタリア料理以外の料理にもよく合います。

ナスの種類について

クセのない味で他の食材との相性が良く幅広い料理に利用できるナスは、世界中で親しまれている野菜です。

もともとインドが原産のナスは、インドから中国やヨーロッパに伝わり、世界各地で栽培されるようになりました。日本には中国を経由して伝わり、奈良時代には食べられていた記録が残っています。

産地よってさまざまな品種が栽培されており、現在日本で最も流通しているのは「中長ナス」に分類されるナスで、色は黒に近い紫色です。

それ以外にもまるいもの、色が明るい紫・赤・白・緑、さらには縞模様など、大きさ・色・かたちがさまざまなナスが存在します。

世界各国で古くから栽培されてきたナスは、各地で変異や改良によって多くの品種が生まれた結果、現在は日本国内で180種類、世界全体では1000種類はあると言われています。

クララ2
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クララに含まれる栄養は?

名前も見た目もかわいらしいクララですが、栄養面はどうでしょうか。

また、普段日本で食べられている紫色のナスと何か違いがあるのでしょうか。

ナスの栄養・効能

実は全般的にナスは90%以上が水分で、世界中で食べられているわりには栄養豊富な野菜とは言えません。

ビタミン・ミネラル類の中ではカリウムが比較的多く含まれています。カリウムは余分なナトリウム・水分を体外に排出し、高血圧の予防やむくみ改善に役立ってくれる他、筋肉収縮や神経伝達にも関わっています。

野菜や果物などいろいろな食物に含まれるため普段の食生活で不足することはないと言われていますが、身体を維持するためには欠かせない栄養素です。

白色と紫色のナスの違い

紫色のナスには「ナスニン」と呼ばれる特有の色素成分が含まれています。

「ナスニン」はポリフェノールの一種であるアントシアニンの仲間で、美容・健康に役立つ強い抗酸化力を持つことから注目されている成分ですが、白いナスには「ナスニン」は含まれないため、残念ながらその効能は期待できません。

一方、白ナスは味噌汁やスープに入れても色素が流れ出ないため色がきれいに仕上がる、煮崩れしにくい、加熱するとトロトロになるというメリットもありますので、料理によって使い分けると良いでしょう。

クララはどこで買える?

日本ではごく一部の農家でしか栽培されていない品種のため、直売所やデパートなどで見かけたら運が良いです。普通のナスと同じように家庭菜園でも育てられるので、気になる人は種子を取り寄せて栽培に挑戦してみると良いでしょう。

卵のようなかわいい実がなっていく様子も楽しめます。

クララはどうやって食べるの?

基本的には普段使う紫色のナスと同じように料理に使えます。クララの特徴を活かして、お好みのナス料理を楽しんでください。

クララ3

おすすめの食べ方

イタリア産のナスなのでイタリアンはもちろん、クセのない味はどんな国籍の料理にも合いますが、果肉のとろけるような柔らかさを楽しむならシンプルに焼きナスやステーキにするのがおすすめです。

皮がやや固く煮崩れしにくいので、漬物など生で食べるよりも加熱調理に向き、煮込み料理の他、炒め物や揚げ物などの油を使う料理にもよく合います。

また、紫色のナスは煮物や汁物にすると色素が溶け出て見栄えがあまりよくありませんが、白ナスであればその心配もないのでお吸い物でもきれいな色に仕上がります。

変色を防ぐコツ

せっかくきれいな白色のクララですが、加熱すると茶色に変色してしまうのが少し残念です。しかし、切った後、調理の前に油で素揚げをすると白色を保つことができます。

普通のナスと同じく切った後には切り口から変色するので、あく抜きのためにすぐに塩水につけ、それから素揚げをします。

ひと手間かかりますが試してほしい方法です。

まるくてかわいいクララナスを食卓に

同じレシピ・同じナスでも、品種が違えばいつもと違った仕上がりになります。

品種ごとに特徴があるので、使い分けてナス料理をもっと楽しんでみましょう。もともといろいろな料理に使えるナスですが、さらに料理のレパートリーが広がりますよ。

色も食感も普段のナスとは違う白ナス「クララ」は、見かけたらぜひ食べてみてほしい野菜です。