「プンタレッラ」もしくは「プンタレッレ」って聞いたことがありますか?
イタリア・ローマ伝統の冬野菜で、地元ローマの人でなければイタリア人でも知らない人が多い、季節限定・地域限定の野菜の名前です。
そんな珍しい野菜ですが、ここ日本で徐々に人気が広まってきています。
今回はその栄養や効能、美味しいレシピなど、まだまだ知らない人が多い「プンタレッラ(プンタレッレ)」の魅力についてお伝えします。
プンタレッラとは?
まずは、プンタレッラ(プンタレッレ)がどんな野菜なのか紹介しましょう。
「プンタレッラ」は単数形、「プンタレッレ」は複数形の呼び方で、「カタローニャ」という野菜の新芽の部分を指します。
日本では「プンタレッラ」と呼ばれることが多いですが、ローマでは「プンタレッレ」の呼び方が一般的です。(以下、ここでは「プンタレッラ」と表記します。)
チコリの仲間で英名を「アスパラガスチコリ」と言います。
カタローニャは年中手に入りますが、新芽のプンタレッラは旬の冬から春先にかけてしか手に入りません。
ほろ苦い味にシャキシャキとした食感で、ローマでは細く割いてアンチョビソースを絡めたサラダで食べるのが主流です。そしてそれ以外のプンタレッラの食べ方はほとんど見かけないほど、ローマで愛されている伝統料理です。
日本におけるプンタレッラの栽培
イタリアでもローマ近郊でしか栽培されていない地域野菜プンタレッラですが、実は日本各地で栽培されています。
特にローマと友好姉妹県の宮城県では「プンタレッラプロジェクト」を立ち上げ、プンタレッラの研究・生産・販売に力を入れています。
そのおかげか最近はイタリアンレストランなどでプンタレッラのメニューを見かけるようになりましたが、まだ流通は少なく、イタリアから輸入されたものを含め、一般には生産地近くか百貨店の生鮮食品売り場などでしか手に入りません。
「近くで売ってないけれど気になる」という人は、取り扱いは少ないですが通販で購入するか、種であればより手軽に購入できるため自家栽培に挑戦してみるのもよいでしょう。
プンタレッラの栄養と効能
プンタレッラにはビタミンやミネラルなどの栄養がたくさん含まれています。
特に、優れた抗酸化作用を持ち免疫力をアップしてくれるβカロテンとビタミンC、体の最大の免疫器官である腸の調子を整えてくれる食物繊維が豊富で、また、独特の苦みには抗炎症作用のある成分が含まれていることが分かっています。
成分の解析などができなかった昔から、自然と寒い冬場の風邪予防に役立ってくれていたのですね。
プンタレッラの食べ方
それでは、プンタレッラ料理の定番中の定番、アンチョビソースのサラダの作り方を紹介します。
調理の手順
①サラダに使うのは新芽の部分です。外側の葉の部分は取り除きます。
②新芽の固い薄皮をむいた後、縦に細かく裂き、1時間から数時間冷水にさらします。
水にさらすことで苦味がやわらぎます。
③くるんとカールしたプンタレッラの水気を切り、ほぐしたアンチョビ、オリーブオイル、にんにくのみじん切り、ホワイトビネガー、塩少々(お好みでレモン汁・胡椒)を加え、よく混ぜ合わせて馴染んだらできあがりです。
補足
水にさらす時間やソースの分量によって味が変わるため、ローマの家庭やレストランでも少しずつ味は違います。
サラダでは使わない外側の葉の部分も、茹でた後に炒め物にしたり、リゾットやパスタの具にしていただきます。
プンタレッラは手に入れることが難しいですが、アンチョビソースは簡単に作ることができるので、千切りにしたレタスやセロリなどの苦味のある野菜と混ぜて、気分だけでも味わってみてもいいかもしれませんね。
サラダの作り方は次の動画でも分かりやすく解説されているので、参考にしてみてください。
□【旬の野菜】早春のイタリア野菜 プンタレッレのサラダ(Puntarelle alla Romana)#1
日本人の味覚にも合うプンタレッラ
プンタレッラのサラダは、プンタレッラの独特の苦みとシャキシャキした食感、アンチョビソースの酸味と塩気が絶妙で、とりこになる日本人も多いのだとか。
日本でもタラの芽やフキノトウなど、春先の苦味のある食材が昔から好まれてきたので、それに通じるものがあるのかもしれません。
なかなか見かける機会のない希少な野菜なので、運良く日本でプンタレッラを見かけた場合や、プンタレッラの旬の時期にローマを訪れる場合は、ぜひローマ伝統の冬の味覚を味わってみてくださいね。
コメントを残す