ファウストボールというスポーツを知っていますか?
2つのチームがコート内に張られたネット越しに対面し、腕や拳でボールを打ち合い得点を競うという球技です。みんなが良く知っているバレーボールに少し似ていますね。
そう、実はファウストボールは、バレーボールの元になったスポーツとも言われているのです。
日本ではまだあまり知られていないファウストボールのルールや歴史、ファウストボールの大会について紹介します。
ファウストボールとは
ファウストボールの概要
ファウストボールの試合は通常屋外の芝コートで行われます。コートのサイズは50m×20mで、バレーボールのように中央の2本のポストの間にネットを張ってコートを分けています(ハーフコートは25m×20m)。ネットの高さは男性2m、女性1.9mです。
コートの外の屋外エリアは後方8m、側面6mで、サービスラインはコートの中心線から3m。バレーボールはコートのエンドラインからサーブを行いますが、ファウストボールは中心のネットに近いところからサーブします。
屋内で行われる場合は、通常既にある線を利用するので、ハンドボール場の規定サイズに対応する40m×20m(ハーフコートは20m×20m)のコートになります。
1チーム5人の2チームが、それぞれハーフコートに分かれて対面し、腕や拳でボールを打ち合います。
なお、ボールはバレーボールと同じくらいの大きさですが、バレーボールよりも空気圧が高く、サッカーボールに近い硬さがあります。
ファウストボールのルール
ファウストボールの特徴的なルールを、バレーボールとは異なる部分を中心にまとめます。
・使うのは片方の腕もしくは拳のみ。ボールを両腕で触れたり、足などの腕以外の部分で触れるとファウルとなり、手のひらでボールに触れるのもファウルとなります。
・選手がタッチするまでにボールがワンバウンドしてもOKです。ツーバウンドするとファウルになります。1ターンにつき最大3人までの選手がボールにタッチすることができるので、自コート内で3回までボールをバウンドさせて大丈夫です。3回目には相手コートにボールを打ち返さなければなりません。また、同じ選手がターン内に2回ボウルにタッチするのもファウルです。
・1セット11点マッチ。何セット行うかは大会によって異なります。10点対10点になった場合は、片方が2点先制するか、15点先取するまで延長されます。
実際の競技の様子を見てみよう
屋外コートの場合だとバレーボールの約6倍という広さに対し、選手は2チーム合わせて10人という少人数です。コートの広さとワンバウンドOKというルールから、バレーボールよりも多彩な攻撃や頭脳戦が展開されます。
■【ファウストボール】片腕だけで1バウンド以内に打ち返せ!バレーに似た海外の伝統的競技
※ワンバウンドOKというのが動画だととてもわかりやすいです!
ファウストボールが盛んな国と競技人口
日本ではあまり馴染みのないファウストボールですが、世界的に見るとどうなのでしょうか。ファウストボールの発祥と歴史、ファウストボールが盛んな国やプロリーグはあるのかを見ていきましょう。
ファウストボールの発祥と歴史
ファウストボールのファウストとはドイツ語の「Faust」、つまり「拳」を意味し、ドイツで盛んなスポーツです。英語では「Fistball(フィストボール)」とも呼ばれます。
ファウストボールがいつ頃からあるスポーツなのかは諸説ありますが、おそらく発祥の国はイタリアだと考えられています。起元前3世紀頃には存在していたとされることから、ファウストボールは世界最古のスポーツとも言われています。
1800年代後半になってドイツで発展し、近隣のヨーロッパ諸国に普及していきました。また、ドイツからの移民によって南米やアフリカ大陸にも広まっていきました。
ファウストボールの大会ファウストボールの競技人口は約65000人と言われています。
世界ファウストボール選手権大会、およびアジアパシフィックファウストボール選手権大会が定期的に開催されており、ワールドゲームズの公式競技にもなっています。
ちなみに優勝回数は圧倒的にドイツが多いです。さすがファウストボールが盛んな国ですね。
日本におけるファウストボールの普及具合
日本にファウストボールが伝えられたのは1997年とまだ最近で、残念ながら認知度の低いスポーツです。ですが、2001年に秋田市で開催された第6回ワールドゲームズでは、男子競技の成績5位と健闘しています。
秋田県と東京都にファウストボール協会があり、毎年、全日本選手権と全日本クラブカップ選手権が開催されています。
ファウストボールはこれから注目のスポーツ!?
近年、ファウストボール協会の活動などがメディアでしばしば取り上げられています。
また、お笑い芸人であるティモンディの高岸宏行さんがファウストボールの日本代表になったことからも一部話題になったので、そのニュースで知った人も結構いたのではないでしょうか。
これから日本でもファウストボールの認知度が上がっていくかもしれません。
日本ではマイナースポーツとして逆に話題になることもあるファウストボールですが、今後の活躍に期待したいですね。
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