使館と領事館、あなたはこの二つの違い知っていますか?
海外でパスポートをなくしたなどのトラブルでも無い限り、あまりご縁がないところですからわからない方も多いかもしれません。

今回は、二つの違い、どんな業務をしているのか、どこにあるのかなどを紹介していきましょう。ぜひ参考にしてみて下さいね!

大使館・領事館の違いは何?

大使館3
簡単に言うと、
大使館は、「外交」を目的とした施設、
領事館は、「自国民を保護すること」を目的とした施設です。

大使館には、外交使節団の中で一番偉い特命全権大使が駐在しています。
領事館には領事(日本の場合、総領事館なので総領事)が、館長として、駐在しています。

大使館・領事館はどんな業務をするところ?

大使館の業務は、駐在国との外交業務になります。
駐在国で今何が起きているのかを分析して、日本の外務省へ報告したり、相手国と自国との文化交流を行ったりします。

領事館は、私たちにとって身近な役所的な施設で、
自国民に対する行政サービスや安全の確保に関する仕事が主となります。

また、日系企業の支援や、相手国との関係を深め、貿易を促進したり、歴史・文化・伝統芸能などを紹介、姉妹都市交流などの支援をしたりもしています。

ころも
ころも
領事館は出張市役所みたいなイメージだね
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日本大使館・領事館、ある場所はそれぞれ違うの?

大使館2

日本大使館は各国に1つで相手国の首都に、日本総領事館(日本は領事館はなく、総領事館となっています)は、相手国の主要都市に複数設置することがあります。

総領事館がなく、大使館の中に領事部を設けている国もあります。

「大使館は一つなのに、総領事館はなぜいくつもあるの?」
そう思われた方、いるのではないでしょうか?

総領事館は、自国民にとっての役所的な役割がありますから、相手国の大きさによっては、複数必要となります。また、予測できない事態が起きたときに、大使館の機能を果たせるようにするために、大使館とは別の場所に設置するのです。

いくつかの代表国を挙げて、日本大使館と日本総領事館の所在地を見てみましょう。

① アメリカ
大使館→ワシントンD.C
総領事館→アトランタ、サンフランシスコ、シアトル、シカゴ、デトロイト、デンバー、ナッシュビル、ニューヨーク、ハガッニャ、ヒューストン、ボストン、ホノルル、マイアミ、ロサンゼルス

② カナダ
大使館→オタワ
総領事館→カルガリー、トロント、バンクーバー、モントリオール

③ オーストラリア
大使館所在地→キャンベラ
総領事館所在地→シドニー、パース、ブリスベン、メルボルン

④ インド
大使館→ニューデリー
総領事館→コルカタ、チェンナイ、ベンガルール、ムンバイ

⑤ シンガポール
大使館→シンガポール
総領事館はなく、大使館に領事部があります。

⑥ 大韓民国
大使館→ソウル
総領事館→済州、釜山

⑦ 中華人民共和国
大使館→北京
総領事館→広州、上海、重慶、瀋陽、青島、香港

⑧ イタリア
大使館→ローマ
総領事館→ミラノ

⑨ イギリス
大使館→ロンドン
総領事館→エディンバラ

⑩ フランス
大使館→パリ
総領事館→ストラスブール、マルセイユ

大使館 領事館3

日本大使館・領事館の数はどのくらいある?

日本国大使館は世界195カ国に設置されています。
(実際に大使館が存在するのは152カ国で、第三国が兼轄している国が43カ国あります。)
世界には196の国があります。
つまり、全ての国に大使館があるということですね。

日本総領事館は、24カ国65箇所に設置されています。

海外でトラブルにあったら・・・

大使館1
大使館、領事館について説明してきましたが、大使館は国を相手に、
領事館は一般市民を相手に、という感じでしたよね。

では、海外で何かトラブルが発生したときは、大使館ではなく、
領事館に行かなければならないのか?
というと、そうとは限りません。

トラブルが起きたときに、その国の首都にいたなら、大使館へ行けば大丈夫。
わざわざ、地方都市の領事館まで行く必要はありません。

大使館や領事館にお世話になることがないのが一番ですが、
知識として知っておくと、安心ですね。