四字熟語は現代にも通用するものが多く,
ビジネスにおいても役に立つ場面があります。また取引先や上司から言われることもあり、意味を理解していないと思わぬ問題となってしまいますよ。
そんな四字熟語の中で覚えておきたいものに、「上意下達」と「下意上達」があります。似たような言葉が並んでいますが、どんな意味があるのでしょう?
そこで、
・上意下達の意味は?
・下意上達の意味は?
・上意下達や下意上達の使い方
…について紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね!
上意下達の意味とは?
上から下に伝えて撤退させる
上意下達は、「じょうい かたつ」と読む四字熟語です。下達は「げだつ」とも読みますが、ここでは「かたつ」と読みます。
上意下達の意味ですが、
・上位・上層部の命令や意向を、下部・下位の者に伝えて徹底させること。
…という意味があります。
上意の「上」は主君や支配者という意味があり、かつては朝廷・天皇や幕府・将軍などを指す言葉でした。そんな身分が上の人の、命令・意見・発言が「上意」となります。
そして下の「下」は身分が低いものや一般庶民を指し、そこに伝わるのが「下達」なんですよ。
そこから転じてビジネスでは、上司の命令・指示が一般社員に伝わり、徹底されるという意味となりました。
ビジネスシーンでの上意下達のメリット・デメリット
ビジネスシーンでの上意下達のメリット
ビジネスシーンでの上意下達を徹底させる場合、次のメリットがあります。
素早い対応が可能
上層部からの指示にすぐ従うことで、物事に対してすぐに対処できるようになります。他社を出し抜く必要がある時に、特に効果を発揮します。
社内の方向性の一本化
社長や幹部社員から方向性が示され、社員が団結することで迷いが少なくなります。結果として無駄な動きがなくなり、社内全体の効率アップにもつながります。
ビジネスシーンでの上意下達のデメリット
一方で、次のようなデメリットも考えられます。
自主的に考え、動くことができなくなる
指示されないと何も出来ない社員となり、突発的な状況に対応できなくなる事が考えられます。さらに上層部のミスに気づきながら指示に従う、またはミスに気づくことができなくなる場合もありえますよ。
一般社員からの不満
上層部だけが納得する指示を出し続けると、社員全体のやる気が減ってしまうことも考えられます。
下意上達の意味は?
下から上に伝わる
下意上達は「かい じょうたつ」と読む四字熟語で、次の意味があります。
・身分の低い者・一般の人の意見や考えが、上層部・上位の人に伝わること。
下意は「身分の低い者の意見」で、上達は「上手になる」ではなく「身分の高い者に伝わる」という意味です。
そこからビジネスでは、一般社員の意見が上層部に届くという意味になりますね。
ビジネスシーンでの下意上達のメリットとデメリット
下意上達のメリット
会社で下意上達を取り入れた場合、次のメリットがあります。
社員全員の意見が尊重されやすい
部署・役職に関係なく意見が採用されることで、社内の活性化が期待できます。また固定観念にとらわれない柔軟な意見も生まれやすく、新たなチャンスにもつながります。
下意上達のデメリット
一方で、下意上達にはデメリットも存在します
スピード感が失われる
様々な意見を取り入れると、本来目指していたものからずれてしまうこともあります。また意見を取り入れてまとめるとなると、どうしても調整に時間がかかってしまいます。
より良いアイデアを出す間に、同様の内容を他社が発表してしまった…なんてこともありえるんですよ。
「上意下達」と「下意上達」の使い方
上意下達の使い方
上意下達は、次のような場面で使います。
・警察のような典型的な上意下達な組織では、上官の命令に意見することなく従う人材が重宝される。
警察や軍隊や指揮系統がしっかりしていないと、いざという時に迅速な対応が取れません。そのため上意下達という状況が、ピッタリ当てはまる組織なんですよ。
・あの会社は社長の力がとても強い上意下達な社風だから、入社するとびっくりするよ。
社長が社員を引っ張っていくタイプの会社も、上意下達と言えますね。
下意上達の使い方
下意上達は、次のような場面で使われます。
・我社は下意上達をモットーとしているので、入社してすぐの社員の意見も採用されやすい。
・組織改革の一環として、下意上達を心がけることにした。
一般社員の意見が上層部に届きやすい会社は、トップが引っ張っていく会社とは違った魅力があります。自由な社風を表したいときなどに、下意上達は使われるんですね。
上意下達と下意上達をバランス良く
上意下達は、上からの指示や命令が下の者に届いて徹底されるという意味があります。そして下意上達には、下の者の意見が上に届くという意味があります。
・社長が引っ張るタイプが上意下達
・一般社員の意見も届きやすいのが下意上達
と覚えるとわかりやすいですよ。
会社で取り入れる場合、良い面も悪い面もあるので行き過ぎは良くありません。上意下達と下意上達を、バランス良く会社で取り入れるようにしましょう。
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