華料理は種類がとても多いですが、中でも飲茶(ヤムチャ)や点心(テンシン)では、色々なものが食べられてうれしいですよね。

そんな飲茶と点心はどう違うのかご存知ですか?意外と知らない方も多いのではないでしょうか。

そんな「飲茶」と「点心」の違い、そして「点心」にはどんな種類があるのか?についてもあわせて紹介していきます。ぜひ家族や友人で中華料理を食べるときの参考にしてくださいね!

飲茶とは?

飲茶(ヤムチャ)と点心(テンシン)は似ているようですが、実は意味合いは全く違うものなんですね。

お茶を飲みながら軽いお食事を楽しむ

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まず飲茶(ヤムチャ)ですが、中国茶を食べながら簡単な食事を楽しむ習慣のことを飲茶と言います。中国南部の広東省や香港・マカオを中心に親しまれていますが、日本でも人気を集めています。

飲茶でいただく中国茶は、ウーロン茶やプーアル茶・ジャスミン茶などのしっかりした味のお茶です。

特に茶葉を丸めたジャスミン茶は、お湯を注ぐと茶葉の中から美しい花が広がります。見た目も美しいことからガラスの茶器が使われ、目で飲茶を楽しむことができるんですよ。

飲茶でいただく軽食は、主には餃子やシュウマイ・まんじゅう・ゴマ団子などが選ばれます。蒸籠(せいろ)に入った蒸し料理が多く、蒸したての料理がいただけるんですね。

最初はお茶とナッツだった

中国では紀元前2世紀頃にお茶の栽培が始まり、2世紀頃にはお茶の習慣も広まっていたと考えられています。当時はお茶を飲みながらナッツやお菓子をつまむ、簡単なものだったんですよ。

1368年~1644年の明朝の時代には料理のレパートリーが増え、現在の飲茶のスタイルが成立しました。その後も様々な国の料理を取り入れつつ、飲茶は広まっていったんですよ。

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点心とは?

食事以外の時間帯に食べる軽食

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点心(テンシン)は、中国において昼食と夕食以外の時間に食べるもの全般を指す言葉です。

中国では朝食は軽く済ませる傾向があり、そうした軽い朝食は食事ではなく「点心」の扱いとなります。

点心は肉・魚料理やスープ以外が対象で、温かいものもあれば冷たいものもあります。また「おやつ」「間食」も点心になるため、例えばケーキも中国では「点心」の扱いなんですよ!

実は飲茶と一緒にいただく軽食も、点心です。そのため点心にお茶が付いてきたら、「飲茶」というわけですね。

ころも
ころも
点心にお茶が付けば飲茶といえるんだね
意外にシンプルな違いなんだね
しま
しま

禅の言葉から生まれた

点心という言葉は、禅の言葉から生まれたという説が有名です。

禅では毎日の修行の合間に、ちょっとしたものを食べて空腹を満たしていました。「空心(すきばら)に小食を点ずる」という言葉もあり、これが点心の語源となったということです。

他には、「心に点をつけるため、心に触れるもの」という説もあります。間食にものを食べるとほっとするといった意味なのかは分かりませんが、食べ物は心に触れるという表現も素敵ですね。

点心の種類には何がある?

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点心は実は沢山種類があります。

その中でも大きく分けると、

・甜点心(テンテンシン)
・鹹点心(シェンテンシン)

に分けられます。

甘い点心の「甜点心」

甜点心(テンテンシン)は甘い点心で、中華料理のデザートを想像すると分かりやすいですね。主な甜点心には、次の料理があげられます。

・ゴマ団子(芝麻球)
・桃まんじゅう(桃包)

中にごまの風味が効いたあんこが入った、蒸し料理。せいろに入っていて、日本でもおなじみですね。

・杏仁豆腐
・マンゴープリン

杏仁豆腐は定番ですね。マンゴープリン等の冷たいデザートも、点心なんですよ。

・果子(グオズ)
果物やナッツ類は、果子と呼ばれます。果物を切ってそのまま出すこともありますし、シロップ漬けにして出すこともあります。

塩味中心の「鹹点心」

鹹点心(シェンテンシン)は甘くない点心で、塩味や旨味を楽しみます。主な鹹点心は、次の料理です。

・蒸し餃子
・シュウマイ

せいろに入って出される料理。点心と言われると一番にイメージするものと言えば、この蒸し餃子やシュウマイですね。蒸し餃子の皮は厚く、具材は肉・野菜・魚などになります。

・春巻
・焼き餃子

日本では、春巻も焼き餃子もおかずのイメージですが、中国では点心の扱いです。

・包子(パオズ)
・小籠包(ショウロンポウ)

包子は小麦粉の生地でお肉を包んで蒸した料理で、いわゆる「肉まん」です。小籠包は薄い小麦粉の生地でお肉を包んだ蒸し料理で、中から熱々のスープがでてきます。

□小籠包の正しい食べ方

*そのまま口に入れると大変なので、小籠包はレンゲに取っていただきましょう。

小皿料理の「小吃(シャオチー)」

大皿料理でだされる料理を小皿で提供し、昼食・夕食以外の時間に食べることがあります。小皿でだした場合は小吃(シャオチー)と呼ばれ、点心の扱いとなるんですよ。

小吃となる料理には、次の食べ物があります。

・干焼蝦仁(エビチリ)
・古老肉(酢豚)
・チャーハン
・お粥

チャーハンは日本では主食のイメージですが、小皿で出せば「点心」というのは驚きですね。

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飲茶と点心は、中国茶があるかないかの違い

中国では昼食や夕食以外に食べる軽めの食事は、点心と呼んでいます。蒸籠(せいろ)に入った肉まんやゴマ団子の他に、マンゴープリンや春巻・お粥も点心なんですよ。

飲茶では、点心をつまみながら中国茶を楽しみます。

・中国茶がメインであれば飲茶
・お茶がなく料理がメインなら点心

と言えますね。

飲茶と点心の違いは、食べものそのものではなく、食べ方や食の楽しみ方のスタイルの違いといった方が良いかもしれません。

いずれにしても美味しい軽食が楽しめるのが飲茶や点心。日本でも人気ですし、気軽に中華料理を楽しみたい時にいただきたいですね。