人の心は本人が思うより、周囲の影響をうけています。自分の意志だけで決定したと思っていても、実は誰かの影響を受けているかも知れないんですよ。
そんな人の心を活用した心理テクニックの一つに、「プライミング効果」があります。どんな効果なのかを実例と共に知っておけば、様々な場面で活用できますよ!
プライミング効果の意味や活用事例について紹介していきますので、ぜひ覚えてくださいね!
プライミング効果の意味とは?
先に与えられた印象が決断に影響する
プライミング効果は、次のような脳の働きのことを言います。
・先に与えられた情報があることで、あとから決断した時に先の情報が全体に影響すること。
・上記の状況を利用し、先に自分に有利になる情報を相手に与えることで、判断を誘導すること。
人間の心は無意識のうちに、周囲の影響を受けています。そのため、自分の意志だけで決断をしたつもりが、事前に受けた情報を参考にしていることもあります。
そんな人の心の動きを活用し、自分にとって有利な決断を誘導するのがプライミング効果なんですね。
アンカリング効果とは?日常でも恋愛でも使える活用事例を紹介!
先に与えられた情報が重要な要素となる
プライミング効果の「プライム」は、英語の「prime(プライム)」という言葉がもとになっています。
プライムには、「もっとも重要な・主な」という意味があります。心理学では「先に与えられた情報が重要な要素となる」という意味で、使われているんですよ。
プライミング効果では、ターゲットとなる人物に対して意識付けとなる情報を与えています。この時、先に与えられた情報は、「先行刺激(プライム・プライマー)」と呼ばれています。
そして後から与えられる情報をもとに判断する時に、ターゲットの判断を誘導しているんです。
懐かしい「10回クイズ」もプライミング効果の1例
プライミング効果のわかりやすい例が、「10回クイズ」です。
「ピザ」と10回言ってから腕を指して「この部分は?」と聞かれると、「ひざ」と答えてしまうといったクイズですね。正解は「ひじ」ですが「ピザ」と何度も言っているので、「ひざ」と言ってしまうものです。
10回クイズではピザと何度も言わせることで、「ピザに似た言葉」が先行刺激となっています。その上で「ピザに似た体の一部」を言わせるクイズを出すことで、「ひざ」と言わせようとしています。
落ち着けば間違いに気づきますが、先行刺激があるため、間違えやすくなるんですよ。
プライミング効果の活用事例
広告もプライミング効果
ビジネスシーンでプライミング効果を利用している例として、広告が挙げられます。CMを何度も流すことで商品を印象づけ、購入の際に自然と選びやすくするものです。
健康を意識する内容の番組で、健康食品の会社がスポンサーとなっていることがありますよね。番組内で健康への意識が高まったところで、健康効果が期待できるCMが流れると購入したくなりませんか?
このように、番組で受けた刺激をもとに、CMを見て購入しようと思わせるのもプライミング効果なんですよ。
雑談から誘導するプライミング効果
商談に入る前に、ちょっとした雑談を行うことがありますよね?
実は雑談の内容にプライミング効果を織り交ぜることで、こちらに有利な商談を行うことも可能です。
例えば、自分は赤い車を売りたいが、相手は白い車を希望しているとしましょう。この時雑談で、さり気なく「トマト」「バラ」「消防車」などの赤い物の話題を続けます。
そして交渉を始める時に「赤もいいですよ!」とすすめると、相手も「赤もいいかな…」と判断が変わることがあります。
注意点としては、自分が誘導したいものに関連付ける話ばかりしないことです。あまり露骨すぎると誘導しようとしていることがばれますし、相手も違和感を感じますよ。
繰り返し学習もプライミング効果
勉強の方法の一つに、同じような問題を繰り返して解く方法があります。
特に算数では同じような計算問題や文章問題を、ドリルなどを使って何度も解くことがありますよね。
これは同じ問題を繰り返すことが「先行刺激」となる、プライミング効果を応用した学習方法とも言えます。何度も繰り返すことで、応用問題でも「先行刺激」を思い出して「同じ解き方だ」と気づけますね。
プライミング効果を上手に活用しよう
プライミング効果は、何かを判断するときに、前に入手した情報が影響を与える心理効果です。
人は無意識のうちに周囲の情報に惑わされやすく、つい影響を受けてしまいます。例えば広告は商品名を何度も伝えることで、購入するときの選択肢となるプライミング効果を利用しています。
難しそうに思えるプライミング効果ですが、「10回クイズ」など遊びでも取り入れられている心理テクニックです。
ビジネスシーンで上手に活用して、こちらが望む希望を相手から引き出してみませんか?
コメントを残す