ピザやパスタなどイタリアン料理に欠かせない具材と言えばチーズです。中でもパルメザンチーズは一振りするだけで、独特の風味が加わって美味しい一皿となりますね。
またイタリアンレストランでは、パルミジャーノ・レッジャーノをすりおろして、直接お皿にかけてくれることもありますが、パルメザンチーズとはどう違うのでしょう?
そこで今回は、
・パルメザンチーズとは?パルメザンの意味は?
・パルミジャーノ・レッジャーノとの違いは?
・グラナパダーノはどんなチーズ?
…といった内容で紹介していきますので、ぜひ違いを覚えてくださいね!

パルメザンチーズとは?

パルミジャーノ風の粉チーズ
日本におけるパルメザンチーズ(英語:parmesan cheese)は、緑色の缶に入った粉チーズでおなじみですよね。この粉チーズは、アメリカのクラフト社が製造したパルメザンチーズを、粉にしたものです。
パルメザンチーズのパルメザン(parmesan)とは、イタリア語のパルジャミーノ(parmigiano)を英語読みしたものです。
そしてパルメザンチーズとは、パルミジャーノ・レッジャーノとほぼ同じ製法で作られたチーズです。ほぼ同じ製法のチーズなので、「パルミジャーノ風のチーズ」として、この名前がつけられたんです。


パルメザンチーズとパルミジャーノ・レッジャーノの違いは?

パルミジャーノ・レッジャーノはとても硬いチーズ
パルメザンチーズは、パルミジャーノ・レッジャーノに似たチーズです。ではパルミジャーノ・レッジャーノとは、どんなチーズなのでしょうか。
パルミジャーノ・レッジャーノ(伊: parmigiano reggiano)は、イタリアを代表するチーズの一つです。水分を減らして最長で5年ほど熟成させることで、特徴的な硬さを引き出しているチーズなんです。
味は水分が抜けている分塩気が強く、また濃縮された風味と旨味が楽しめます。食べ方はすりおろして粉にして料理にかける他に、スライスしたものをそのまま頂きます。
ヨーロッパでは「パルメザン」と名乗れない
パルミジャーノ・レッジャーノという名前は、イタリアの「DOP」というところで認証を受けないと名乗れません。DOPはイタリアの伝統食品を守るための制度で、認証を受けるにはいくつかの条件が必要です。
パルミジャーノ・レッジャーノの場合、その条件に「イタリア北東部の特定地域※ で作ること」が含まれます。
※エミリア=ロマーニャ州と、ロンバルディア州の一部

そのため製造方法が全く同じでも、イタリア以外で製造したものはパルミジャーノ・レッジャーノじゃないんですよ。
パルメザンチーズは、パルミジャーノ・レッジャーノとほぼ同じ製造方法で作られたチーズ。しかしイタリアで作られていないので、違うチーズという扱いとなります。
さらにヨーロッパでは「パルメザンチーズ」という名称も、パルミジャーノ・レッジャーノを思わせるため使えません。そのため緑の缶の粉チーズは、ヨーロッパでは「Pamesello」という名前で販売されているんですよ!
ちなみにパルミジャーノ・レッジャーノには、大きさの規格もあって、
・直径35~45cm
・暑さ20~26cm
・重量30kg以上
が必要なんですね。

グラナパダーノはどんなチーズ?

粒状で風味が強くないイタリアのチーズ
イタリアにはパルミジャーノ・レッジャーノに似た、「グラナパダーノ(伊:Grana Padano)」というチーズがあります。味はパルミジャーノ・レッジャーノよりも塩分が薄く、全体の風味もそれほど強くありません。
そのためパルミジャーノ・レッジャーノだと風味が強すぎる時に、使われるチーズなんですね。
グラナパダーノの
・「グラナ」は粒
・「パターノ」はイタリア北部を流れるポー川周辺の平地
という意味です。
直訳すると、「ポー川周辺の平野で作られた、粒状のチーズ」となります。その名の通り、チーズを削るとボロボロと粒状に崩れるので、粉チーズとして使われているんですよ。
パルミジャーノ・レッジャーノもグラナパダーノだった!
グラナパダーノは、パルミジャーノ・レッジャーノとほぼ同じような製造方法で作られています。もともとは同じチーズの扱いだったのが、DOPにより製造方法や製造地域の違いを厳密にした結果、違うチーズとなったんです。
またパルミジャーノ・レッジャーノとグラナパダーノ、2つのチーズの違いは「材料となる牛乳」にあります。
パルミジャーノでは、保存用の発酵させた草を食べていない牛の牛乳を使います。これは微生物の影響で、チーズの味が変わるからです。また一晩寝かせて乳脂肪分を分離した牛乳と、搾りたての牛乳を混ぜています。
一方のグラナパダーノでは、搾った後に5時間程度寝かせて乳脂肪分を分離させた牛乳だけを使用しています。
熟成期間も違いがあり、
・パルミジャーノの熟成期間は最長5年と長め
・グラナパダーノの熟成期間は5ヶ月~16ヶ月と短め
なんですよ。
「粉チーズ」にも違いがある!
日本で粉チーズといえば、緑の缶に入った「パルメザンチーズ」が主流となっています。またパルミジャーノ・レッジャーノは、パルメザンチーズと同じものだと思われがちです。
確かに製造方法はほぼ同じですが、パルミジャーノ・レッジャーノはイタリアの特定地域で作られたものしか名乗れません。またイタリアではグラナパダーノというチーズもあり、粉チーズの材料として使うことも多いんですよ。
粉チーズにも実は違いがあるので、風味や料理に合わせて使い分けてみたいですね。
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