友人との会話が盛り上がってくると、思わず身振り手振りが増えてしまう人がいますよね。その時に「ガーッと車がきて」「どん!とぶつかって」…と、思わず説明することってありますね。
こういった表現のことを、「オノマトペ」といいますが、何故オノマトペと呼ぶのか?その意味や語源も気になるところ。
そんなオノマトペの意味・語源・一覧や、オノマトペが日本語に多い理由について紹介していきます。
オノマトペの意味は?
擬音語や擬態語をまとめた表現
オノマトペとは、「擬音語」や「擬態語」を一つにまとめた表現です。
擬音語とは、物・動物・人が発する音を文字や音声として表現したものです。
例えば、カップ同士がぶつかったときの音、猫の鳴き声を表現したり…といったことは擬音語になります。
一方の擬態語は、状態や感情といった「本来は音を出さないもの」を文字や音声で表現したものです。機械の部品が散らばっている様子や、病気や怪我をしたときの痛み…といった表現は擬態語になりますね。
オノマトペは国によって違う
オノマトペは相手にわかりやすく伝えるために、その人なりの音の表現が使われます。
例えば猫の鳴き声は、「にゃん」「にゃーん」「にゃあにゃあ」と表現する方が多いかと思います。そしてこれらのオノマトペを聞けば、「猫の鳴き声だ」と大体の方は認識しますよね。
しかし、日本以外の国、例えば英語を使う国での猫の鳴き声は「ミャウ」「ミュウ」と表現されますし、中国語では「ミャオ」、韓国語では「ヤオン」と表現されます。
国・地域・時代・人によって表現方法に違いがあるのが、オノマトペの特徴なんですよ。
オノマトペの語源は?
フランス語で
オノマトペとは不思議な響きですが、これはフランス語の「onomatopée(オノマトペ)」が語源となっています。英語では「onomatopoeia(オノマトピア)」といい、いずれも意味は「擬音語・擬態語」なんですね。
ところでフランス語の「onomatopée」も英語の「onomatopoeia」も、つづりが似ていますよね?これは古代ギリシャ語の「オノマトポイーア(ὀνοματοποιία)」という言葉が、語源となっているからです。
オノマトペの語源は、「名前」を意味する「オノマ」と、作るという意味の「ポイーア」が合わさった言葉からきています。言葉を作るという意味から、音や状態を言葉や文字で表現する「オノマトペ」へと変化したんですよ。
代表的なオノマトペを一覧で
日本語にはオノマトペがとても多く、言えば「あの音・その状況」と理解しやすくなりますね。そこで日本語で使われている主なオノマトペを、一部ですが、一覧にして紹介します。
擬音語のオノマトペ
最初は、「擬音語」です。
動物の鳴き声や、人が出す音が中心です。
猫 …ニャー、ニャン、ミャー
犬 …ワンワン、キャンキャン
鶏 …コケコッコー
ひよこ …ピヨピヨ
すずめ …チュンチュン
カラス …カーカー
象 …パオーン
馬 …ヒヒーン
狐 …コンコン
擬態語のオノマトペ
次に、「擬態語」のオノマトペを紹介します。一般的なものを中心に紹介していますが、表現方法は人それぞれのため、独特のオノマトペも存在します。
頭・体・お腹が痛いときの表現…ズキズキ・シクシク・キリキリ・ジクジク
氷や宝石が輝く様子 …キラキラ
楽しいようす …ワクワク・ドキドキ
驚いた時 …ドキドキ・びっくり、ドキッ、ギクッ
泣いている様子 …えーんえーん、シクシク、ウワーン
怒りの様子 …プンプン・かんかん・カリカリ・ムカムカ・イライラ
オノマトペが日本語に多い理由
物事の感じ方
日本語のオノマトペは1000近くあると言われ、現代でも新しいオノマトペが生まれ定着していっています。一方で外国語のオノマトペはそれほど多くなく、英語では200~300語程度と言われています。
日本語のオノマトペがこれほど多いのは、西洋と日本では自然の感じ方に違いがあるからです。
例えば秋の虫が出す音を、日本では「虫の音色」として美しいと感じてきました。しかし西洋ではただの雑音とすることが多く、うるさいと感じる人も多いんですよ。
また雨風の音や光の明るさと言った自然が生み出すものを、日本では細かく表現する傾向がありました。
そのため「キラキラ輝く」「しらじらと夜が明けていく」など、数多くのオノマトペが生まれたというわけですね。
オノマトペで豊かな表現に
オノマトペは人・動物・自然などの様子や状態を、音声や文字で表現するものです。にゃんにゃんと鳴く猫も、その猫にワンワン吠える犬も、オノマトペを使った表現となりますね。
日本では自然の様子や様々な音を表現しようとする傾向があり、外国よりもオノマトペがとても多めです。その分細かな表現が相手に伝えやすく、相手もわかりやすく良いコミニュケーションとなるんですよ。
「ハラハラ」と散る桜に「ドキドキ」したら、友人に「たっぷり」とオノマトペを交えて伝えてみませんか?
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