毎日の買い物では、できれば良い品を安く購入したいですよね。また大型家電などの高額商品は、色々と調べて納得したものを購入したいものです。
そんな消費者の心理を活用したテクニックに、「アンカリング効果」があります。少し難しそうなイメージがありますが、知っておくと様々な場面で役に立ちますよ!
そこで「アンカリング効果」とはどういうものか?また日常でも恋愛でも使える活用事例について紹介していきますので、ぜひこの機会に覚えてくださいね!
アンカリング効果とは?
最初に見た情報で基準ができてしまう
アンカリング効果は認知バイアスと呼ばれる心理現象の一つで、次の効果のことをいいます。
・最初に示された特徴や数値が、判断基準となってしまう。
人間には情報が揃っていない時に、最初に見た情報を判断基準としてしまう心のクセがあります。情報を集めるうちに最初の情報が修正できればいいのですが、修正ができないこともあります。
また明らかに間違った情報でも、その情報を信じたいと思ってしまうと修正しにくくなる傾向もあります。
このように「最初の情報が判断基準となってしまう」認識を、アンカリング効果というんですね。
アンカリング効果の「アンカリング(Anchoring)」とは、停泊中の船が動かないように錨(いかり)を落とすことをいいます。最初に見た情報がまるで錨のように、心の中で固定されて基準となってしまうことから名付けられました。
認知バイアスが働く
アンカリングは、認知バイアスが働くことで発生する心理現象です。認知バイアスとは、その人が持つ常識や周囲の状況で、合理的ではない判断をしてしまうことを指します。
例えば、大阪生まれの人と聞いたら、にぎやかに話すイメージがありませんか?
にぎやかさはその人の性格しだいで、大阪の人すべてがにぎやかなわけではありません。しかし「大阪の人=にぎやかな人」という、自分が持っているイメージで勝手に決めつけてしまうことがあります。
このような「思い込みやイメージだけで、勝手に判断してしまう」のが認知バイアスと言われるものなんですよ。
認知バイアスは様々な場面で発生しやすく、対人関係や仕事でも影響を受けることがあります。一度立ち止まって自分の判断基準は大丈夫なのかを、確認することも大切ですね!
アンカリング効果の活用事例
商品を販売するときのテクニックとして
アンカリング効果を活用したものに、「割引」があります。
テレビCMやネット通販で、「通常価格の半額で特別提供!」といったキャッチフレーズを見ることがありますよね?
これは「いつもより安い」という基準をつくることで、アンカリング効果が発揮されます。
販売する側は、「どれだけお得か」をうまくアピールすることが大切。「10個限定」「30分だけのタイムセール」など、限定感を出すことで更にアンカリング効果は発揮されますよ。
ただし消費者が商品の平均的な価格を知っていると、アンカリング効果は薄れてしまいます。更に「安いだけでは購入しない」タイプの消費者だと、アンカリング効果は効果がありません。
また購入する側の立場で注意したい点としては、「通常価格を高く設定して安く見せかける」販売が行われることもあるということ。本来の価格を調べて、本当にお得かどうかを確認する習慣を身につけたいですね。
恋愛の駆け引きにアンカリングを
好きになった人には振り向いてもらいたいですし、自分のことも好きになってほしいですよね。そのため相手により良い印象を与えられるように、アンカリング効果を活用することも大切なんです。
例えば、相手が以前付き合っていた人が、どんな性格だったのかをチェックしてみましょう。その中で別れた理由がわかれば、その人よりもより良い部分をアピールできますよね。
「前の恋人」という基準よりも素敵だと印象づけられれば、恋愛も一歩前に進むかも知れませんよ。
日常生活でのアンカリング効果
アンカリング効果は、日常生活でも応用が可能です。
待ち合わせに寝坊して間に合わない時に、正直に「30分遅れる」と言っていませんか?
ここで「1時間遅れそう」と言ってから30分以内に間に合わせると、遅刻したのに「早めに来た」印象になります。
実際は遅刻してはいますが、最初に言った「1時間遅れ」という言葉がアンカリング効果となって相手の気持も和らぐんですよ。
同じように、提出物が遅れそうなときも、アンカリング効果を活用することはできますね。ただし何度も使うと効果は無くなるので、使い方には気をつけましょう。
アンカリング効果は、ここぞという時に使おう!
アンカリング効果は、最初に見た数字や物事を判断基準にしがちな人の心を利用するテクニックです。例えば、基準よりも良い・安いと判断させることで、購買しやすくなるよう誘導させるテクニックとして使えるんですよ。
また予定より早く到着したような印象を与えるなど、アンカリング効果は日常生活でも応用が可能です。
ただし販売される商品の価値を知っていると効果は薄れますし、何度も活用すると相手も慣れてしまいます。
アンカリング効果は、ここぞという時に使うことを心がけましょう!
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