毎日の食卓に欠かせない一品に、お味噌汁があります。料理によっては「お吸い物」や「すまし汁」といった名前で出されることもありますが、いずれも和食には欠かせませんよね。
ところでお味噌汁とお吸い物とすまし汁は、どこに違いがあるのでしょうか。また「おみおつけ」というものもあるのですが、どんな汁物なのか気になりませんか?
そこで、
- お味噌汁とお吸い物の違い
- おみおつけ(御御御付け)とは?
- すまし汁とは?
…といった内容で紹介していきます。ぜひ参考にしてくださいね!
味噌汁とお吸い物の違い
味噌汁はお味噌を出汁でとく
お味噌汁は、味噌を出汁(だし)でとき、野菜・海藻・キノコ・魚介類などを具にした汁物料理です。
使用する味噌は地方によって異なり、
- 白味噌
- 赤味噌
- 合わせ味噌
などを使います。
出汁はかつお節や煮干しから取りますが、最近では市販の顆粒だしを使うことが一般的。家庭によって味噌・出汁・具が違うため、家ごとの味があるのがお味噌汁なんですね。
お吸い物は出汁に塩・醤油・味噌などを加える
お吸い物は、出汁を塩・醤油・味噌などの調味料で味付けし、魚介類や野菜を加えた汁物料理です。そのため「味噌汁」も、お吸い物の一種となるんです。
お吸い物では「出汁」の味がベースとなるため、調味料は味を整える程度に加えます。
そのため調味料によって
- 味噌仕立て
- 醤油仕立て
- 塩麹仕立て
といったお吸い物となるんですよ。
おみおつけ(御御御付け)とは?
お味噌汁の丁寧語が「おみおつけ」
「おみおつけ」は、お味噌汁の丁寧語になります。
「おみ」は味噌、「おつけ」は汁を意味する言葉で、いずれも「女房言葉(女房詞)」となります。
女房言葉とは室町時代以降に宮中に使えていた女性使用人「女房」が使っていた、独特の言い回しのこと。一種の隠語のようなものですが、言葉を言い換えるなどして、否定的な言い方を避ける表現をしていたんですね。
「御」が三つも並ぶ
おみおつけは、汁という意味の「おつけ」をさらに丁寧に表現したという説もあります。おみおつけを漢字で書くと、「御御御付け」となるからです。
「おつけ(御付け)」の前につく「おみ(御御)」は、名詞の前につけることで尊敬の意味をもつ言葉になります。
女房は、宮中でも位の高い方に使えていたため、物事一つを表すにもとても丁寧な表現が求められました。そのため「味噌汁」に対しても丁寧さを表す「御御」を付けて、「御御御付け」としたというわけですね。
ただし一部地域では、おみおつけを「御味御付け」と書くことがあります。「御味」は「味噌」という意味の「おみ」を漢字にしたもので、この場合、お付けと合わせて味噌汁となるんですね。
すまし汁とは?
醤油や塩で味付けしたお吸い物
すまし汁は、お吸い物の中でも特に透明度の高い汁物のことを言います。使用する調味料は醤油または塩で、味噌を使ったものはすまし汁にはなりません。
また醤油・塩を使用していても、汁に濁りがあるとすまし汁とはならないんですね。
潮汁とすまし汁
すまし汁のうち、塩で味を整え魚介類を具としたものを「潮汁(うしおじる)」といいます。
出汁は魚介類を煮出して取り、出汁を取った魚介類をそのまま具として使うこともあります。ひな祭りでよく出されるハマグリのお吸い物は、潮汁の代表的なものです。
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塩で味を整えたものを潮汁と言うのに対し、醤油で味を整えたものだけを「すまし汁」ということもあります。そのため、すまし汁は出汁と醤油、潮汁は出汁と塩と区別することもあります。
お味噌汁・おみおつけ・お吸い物・すまし汁の違い、まとめ
最後に、お味噌汁・おみおつけ・お吸い物・すまし汁の違いを一覧で紹介しておきますね。
汁物 | 料理 |
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お味噌汁 |
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おみおつけ |
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お吸い物 |
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すまし汁 |
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お味噌汁の味の違いを楽しもう!
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お味噌汁は家庭でいただくもので、お吸い物は会席料理などで出されるイメージがありませんか?
実はお味噌汁はお吸い物に含まれていて、調味料や汁の透明度によって「すまし汁」となるんです。また「おみおつけ」は味噌汁の別名で、丁寧な表現をしたい時に使われます。
和食に欠かせない汁物ですが、調味料や汁の透明度で名前が変わるのは奥深いですね。
いつもは味噌汁という方も、他の料理に合わせてお吸い物やすまし汁を作ってみませんか?
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