最近ではメールやラインでのやり取りが増え、手紙を書く機会が減っています。とは言え大切な方への季節の挨拶は、手紙で送りたいもの。
手紙やきちんとしたメールでは、冒頭に季節の挨拶が必要となりますが、そんな季節の挨拶の一つに「初春の候」があります。
そこで、
- 初春の候の読み方と意味
- 初春の候を挨拶で使う時期はいつ?
- 初春の候の使い方の例文
- 初春の候と同じ時期に使える時候の挨拶
…といった内容についてお伝えしていきますので、ぜひ覚えてくださいね!
初春の候の読み方と意味
初春の候は新年やお正月から
初春の候は季節の挨拶で使う言葉で、「はつはるのこう」または「しょしゅんのこう」と読みます。
- 「はつはる」 …訓読み
- 「しょしゅん」…音読み
かの違いだけなので、どちらを使っても大丈夫です。
初春の候の「初春」の意味は、はじめての春を迎えたということ。現在では春は3月~5月頃のイメージですが、昔の暦(旧暦)では1月・2月・3月が春だったんですね。
そのため、昔は「春のはじまり」はお正月からとなりますので、初春の候と言えば、お正月・新年からを指す言葉となりました。
初春の候を挨拶に使う時期はいつ?
初春の候は1月15日頃まで
初春の候は新年を表す言葉で、挨拶として使う時期は1月15日頃までです。
お正月と呼べる期間は、現在では1月7日の「松の内」までというのが一般的になっています。ただし松の内は地域によって15日までという考え方もあり、1月15日を「小正月」とする風習もあります。
そこからお正月の区切りは1月15日となるため、初春の候も1月15日頃まで使える挨拶となるわけですね。
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2月~3月にかけて使うことも
現在私達が使っている暦は、太陽の動きを基にした太陽暦です。しかし明治の初め頃までは、月の満ち欠けを基にした「太陰太陽暦(旧暦)」が使われていました。
太陽暦よりも一ヶ月程度ズレがありましたので、旧暦の1月は、現在の2月上旬頃にあたります。そのため季節の挨拶も今の暦にあわせて、2月~3月にかけて使うという考え方もあります。
「初春はお正月頃」という意味で使いたいなら、2月・3月の挨拶として使うのは分かりにくいかもしれませんね。
「初春の候」を時候の挨拶で使うときの例文
新年のお手紙の書き出しに
初春の候を使う場面としてぴったりなのが、やはり「手紙」ですね。一年の始まりに手紙を書く時は「初春の候」を書き出しの一文として使いたいものです。
- 初春の候、厳しい寒さが続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
- 初春の候、ご無沙汰しておりますが、皆様変わりなくお過ごしでしょうか。
- 初春の候、皆様に置かれましては、ますますご清祥こととお慶び申し上げます。
親しい方への改まった手紙であるなら、1番目や2番目の少し柔らかな表現を使います。取引先や上司へ出す場合は、3番目の表現を使いたいですね。
また手紙のルールとしては、結びの一文を添えることが大切です。
- まだまだ寒い日々が続きますが、どうぞご自愛くださりますようお祈りいたします。
- 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
- 一年の無事とますますのご活躍を、心よりお祈り申しあげます。
…と、一年の無事や健康であることを願う文章を添えましょう。
初春の候と同じ時期に使える時候の挨拶は?
迎春の候
初春の候と同じく、お正月~1月上旬の挨拶にぴったりなのが「迎春の候(げいしゅんのこう)」です。
迎春とは春を迎えるという意味で、初春と同じくお正月を迎える意味となります。そこからお正月から1月上旬までの、挨拶の言葉となりました。
大寒の候
旧暦では1月は春とお伝えしましたが、とくに雪が降る地方では実感が湧きにくいですよね。そんな時は「大寒の候(だいかんのこう)」を使うと、寒い季節を表す挨拶となりますよ。
大寒は1年を24等分した、「二十四節気」という暦で使われている言葉です。1月20日前後、または1月20日前後~2月3日前後までの期間が大寒で、この時期の挨拶文に使われます。
初春の候は1月15日頃までなので、15日を過ぎたら大寒の候を使いたいですね。
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厳寒の候
12月下旬から2月上旬までの、特に寒さが厳しい時の挨拶文には「厳寒の候(げんかんのこう)」がおすすめです。こちらも雪が降って寒さが厳しい地域に住む方へ使うと、より冬らしさが感じられる挨拶となりますね。
新しい一年に「初春の候」の挨拶を
初春の候は、お正月から1月15日頃までを表す言葉で、手紙などの改まった文章の書き出しに使います。かつて使われていた旧暦では1月が「春」だったため、春を迎えることでお正月が来たという意味となりました。
使い方としては、「初春の候」のあとに相手の気遣う言葉や、寒さに対するお見舞いの言葉を添えましょう。よりお正月らしさを出したいなら「迎春の候」に変えてもいいですし、北国の方へは「厳寒の候」もいいですね。
最近はこういったペーパーウッドのはがきもありますので、インパクトも一緒に相手方に贈れそうです。
1年の始まりにお手紙を出すときには、ぜひ「初春の候」という挨拶からはじめましょう!
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