日本語には同じ音で似たような意味を持つ言葉が、いくつもあります。「保証」と「保障」と「補償」も、そんな言葉の一つですね。
いずれの言葉についても、必要な時に私達の助けとなる意味をもちますが、読み方が同じで意味も似ているので、どう違うのか気になるところです。
そんな「保証」「保障」「補償」、それぞれの違いや使い分けについて紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね!
保証とは?
大丈夫であること
保証(ほしょう)には、次の意味があります。
- 問題がない、間違いがない、大丈夫だと認めて責任を持つこと
この場合の「大丈夫」としている対象は、人物のこともあれば商品であることもあります。それらが問題ありませんよと、対象となる人物や商品を知る人、あるいは会社などが責任をもつという意味となります。
そして万が一問題が発生した場合は、代わって責任を果たす。そういった「安心できる状態」が保証ですね。
この「大丈夫だ」とする「保証」については、期間や範囲などの条件を文章に残すことがあります。
例えば電化製品を購入した時についてくる「保証書」には、「購入して1年以内」などと書いてありますよね?また「本来の使用目的以外で使用した場合は対象外」などの、責任を取らない範囲についても書かれています。
保証人について
人物を保証する場合に、「保証人」としてその人への責任を持つことがあります。
例えば、病院で入院や手術するための書類には、「身元保証人(身元引受人)」の記入欄があります。
これは、万が一患者が入院費を支払えなくなった時に、代わりに支払う人を指定するものであり、退院や転院時の引き受けや、亡くなった場合には引き取る責任をもつことも求められます。
病院以外にも保証人をたてるケースは様々ありますが、いずれにしても保証すべき人が支払いできなくなった場合には、保証人は損失を肩代わりする必要があります。
とんでもない額の借金を背負ってしまうこともありえますし、それだけ保証人は責任が重いということも意識しなければいけませんね。
保障とは?
守る
保障(ほしょう)には、次の意味があります。
- 現在の状態を保ち、問題がおきないように守ること
保障の「障」には、「(砦として)防ぎ・守る」と言った意味があります。そこから転じて、損をすることがないように、また今の状態が続くように、様々な手段で守るとしているのが「保障」です。
保障として守られる対象は人であったり、人が持つ権利や将来といった形のないものまで様々。更には地域の人々や国民・国そのものといった、広い範囲に対しても「保障」という言葉は使われますね。
補償とは?
損をしてしまった時に補う
補償(ほしょう)には、次の意味があります。
- 損害が発生した時に、費用などをおぎない、つぐなうこと
ここで補うものは、基本的には金銭となります。状況によっては、人の手による直接的な手助けとなることもあれば、お詫びの言葉になることもあります。
また保証や保障と違い、実際に損害が発生してから「補償」は行われます。そのため損害が出ないようにお金や人を使うことは、「補償」とは言わないんですね。
保証・保障・補償の違いや使い分け
保証・保障・補償は音が同じで似た字を使いますが、それぞれ違うものとなります。
保証のまとめと使い方の事例
「保証」は人や物に対して責任を持ち、万が一の時は代わってその責任を果たすこと。人や物が正しものであることを、他の人や会社などが責任を持ちますとしているものです。
▼保証の使い方の事例
- 彼の人柄は、上司である私が保証する。
- 弊社の商品は、1年間の品質を保証しています。
保障のまとめと使い方の事例
「保障」は人物やその人が持つ権利などに対し、失われないように守るとすること。守られる人が特に動くことなく、保護され守られる状態としています。
▼保障の使い方の事例
- あの会社は、男女ともに育休が取得できることを保障している。
- この地域にさえ行かなければ、あなたの安全は保障する。
補償のまとめと使い方の事例
「補償」は人や物に損害が出てしまった時に、主にお金などで損害に対してつぐないをすること。問題などが発生して初めて使われる言葉で、損害が発生していない時は使われません。
▼補償の使い方の事例
- 火災保険と地震保険に入っていたおかげで、屋根の修理代が補償された。
- 会社が被った損害を補償してくれることになった。
上司が部下の人柄を認め(保証)、
会社は働く人が働きやすくなるように守る(保障)。
そして保険に入っていたおかげで、万が一の時になんとかなった(補償)。
…といったように使い分けができます。保証・保障・補償のいずれも音(読み方)が同じなので、会話で使う時は、相手に文字で見せるなどしてわかりやすくしたいですね。
保証と保障と補償は似ているが違うもの
保証と保障と補償は同じ音ですが、意味が違いますし、使う場面も違うのでしっかり覚えたいですね。
保証は人や物に対して責任をもち、保障は今ある状態を守るもの。そして損害が出てしまった時は、補償をしてもらうものと覚えておくと便利です
いずれも普段の生活で使う言葉なので、聞き間違えや書き間違えに気をつけましょう!
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