男性の俳優を表現する言葉に「二枚目」「三枚目」と呼ぶことがありますよね?俳優だけでなく周りのかっこいい男性に対して使うのを聞いたことが有るかも知れませんね。
ところでなぜ人を表すのに、二枚・三枚と数を数えるような表現を使うのか気になりませんか?また「一枚目」や「四枚目」といった表現もあるのでしょうか?
そこで、
- 二枚目や三枚目の意味や由来
- 二枚目・三枚目以外の他の表現はあるのか
- 二枚目半とは?
…について紹介していきます。ぜひ参考にしてくださいね!
二枚目と三枚目の意味や由来は?
歌舞伎の世界で使われていた言葉

二枚目・三枚目は歌舞伎の世界で使われた言葉で江戸時代に生まれました。それぞれの意味は次の通りです。
- 二枚目…優男・美男子・色男、またはそのような役を演じる役者。
- 三枚目…お笑い役を担当する役者、または滑稽な人。
歌舞伎を行う芝居小屋では、表に看板を出して、出演者がわかるようにしていますが、並べる順番には意味があります。
- 二枚目の看板は「若い色男」を演じる役者さんの名前
- 三枚目の看板は、お笑い役や滑稽な役どころを演じる役者さんの名前
が書かれるんですね。
そのため看板を見るだけで、今回は誰がどういった役を演じるかがすぐわかるんです。
そこから転じて、見た目がよくかっこいい役者を「二枚目」、そして味わいのある見た目で、面白い役を演じる役者さんを「三枚目」と表現するようになりました。
さらに現代では役者だけでなく、一般男性に対してもこの二枚目・三枚目という言葉が使わるようになったんですね。
二枚目・三枚目以外にもあるの?

歌舞伎の世界では八枚目まである
一般的に使われているのは「二枚目」と「三枚目」ですが、実は「一枚目」「四枚目」といった表現も歌舞伎の世界では使われます。その枚数は「八枚目」まであり、芝居小屋の表にズラッと並ぶんですよ。
それぞれの看板には、二枚目・三枚目同様に演じる役などの意味があります。
- 一枚目…主役。一枚看板とも呼ばれる。
- 二枚目…色男や優男を演じる人。
- 三枚目…お笑いや滑稽な役を演じる人。
- 四枚目…中軸。中堅役で、芝居内でのまとめ役を演じる人。
- 五枚目…一般的な敵役を演じる人。
- 六枚目…良い人物ながら敵役を演じる人。
- 七枚目…芝居内における最大の悪役を演じる人。
- 八枚目…座長。この芝居全体を取り仕切る人。
これらの看板をまとめて「八枚看板」と呼び、メインキャストが誰なのかがひと目でわかるようになっています。またここに娘役(ヒロイン)が加わる事もありますが、「九枚目」などの枚数で表現されません。
そして特に名前の上がらない、その他大勢の役者さんも加わって、歌舞伎という演劇は成り立っています。看板を見れば誰が出演し、何枚目なのかで役どころもわかるので、見る人に親切なシステムですね。
ただし注意が必要なのが八枚目です。八枚目だけは役ではなく芝居全体を取り仕切る人という意味となります。役者というよりは、プロデューサー・脚本家という意味合いのほうが強いですね。
ちなみに二枚目半とは?
二枚目の人が三枚目の要素をあわせ持つ
ところで二枚目・三枚目の他に、「二枚目半」というのを聞いたことがありませんか?
例えばかっこいい俳優さんが、コメディ作品で笑いを取るような役を演じた時に使われます。あるいは見た目はかっこいいけれど、普段の発言がおもしろい人に対しても使いますね。
二枚目半は、三枚目の「面白い要素」をあわせ持つ二枚目の役柄のことを言います。見た目はイケメン、なのに演じる役はコメディなので「二枚目半」なんです。
歌舞伎では使われない言葉ですが、二枚目・三枚目という言葉があるから成立している言葉です。かっこよくてコミカルな役もできるとなると、いいとこ取りで良い役者さんとも言えます。
残念ながら三枚目と言われる役者さんが、シリアスでかっこいい役を演じても二枚目半とは言われません。かっこよく演じることができれば、その時点で二枚目だからかも知れませんね。

八枚目まで覚えておくのも
最近では「イケメン俳優」「コメディ俳優」と、横文字で役者さんを表現することがあります。しかし日本語でも同様の表現が可能で、それが「二枚目」「三枚目」なんです。
その由来は歌舞伎の看板からで、二枚目がかっこいい役で、三枚目がお笑い役だったからです。歌舞伎の世界では一枚目から八枚目まであるので、覚えておくと話のタネになりますね。
イケメンでは表しきれない方には、「二枚目!」と表現してかっこよさを表現してみませんか?
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