八朔(はっさく)と言われた場合、多くの人が柑橘系の果物を思い浮かべるのではないでしょうか?しかし一部の地域では、八朔と言えば、果物ではなく、お祭りや年中行事の日として身近な存在なんですね!

そんな「八朔」の意味や、「八朔祭り」について、また柑橘類の「八朔」との関係についてもあわせて紹介していきます。ぜひ参考にしてくださいね!

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八朔の意味とは?

旧暦8月1日が八朔

八朔の時期

八朔(はっさく)は「八月朔日(はちがつ ついたち)」を省略した言葉で、旧暦8月1日のことです。朔日(ついたち)とは「1日(ついたち)」のことで、その月の始めの日を指す言葉です。

旧暦(太陰太陽暦)は月の満ち欠けをもとにした暦のことで、現在の暦「太陽暦」とは1ヶ月前後のズレがあります。そのため毎年決まった日が、八朔とはなりません。

今年の「前後数年間」の八朔の日にちは次の通りです。

八朔(八月朔日)の日
2017年 9月20日
2018年 9月10日
2019年 8月30日
2020年 9月17日
2021年 9月7日
2022年 8月27日

年によって、実に半月以上のズレがあるんですね。

お世話になった方へ贈り物をする日

8月最初の日である「八朔」は、稲が実りだす日とされています。農家の間では八朔の日に、最初に実った稲穂(初穂)をお世話になった方へ贈る風習がありました。

田んぼに実がなる日なので、「田の実の節句(たのみのせっく)」とも呼ばれていました。ここから語呂合わせで「たのみの日」となり、頼みごとをするほど親しい間柄の方へ贈り物をする日ともなりました。

ただし現在は別の風習であるお中元もあることから、あまり行われていません。

また京都の舞子さん・芸妓さんは、新暦8月1日の朝にお茶屋や芸事の師匠へ挨拶に回る風習があります。このあいさつ回りのことも、「八朔」と呼んでいるんですね。

八朔祭りとは?

八朔の祭り

豊作祈願のお祭り

八朔に合わせて、関西や九州などの一部地域で「八朔祭り」が行われます。開催日はお祭りごとに異なりますが、現在は9月最初の土日に行うことが多いですね。

旧暦の8月頃は現在の9月にあたり、台風や長雨で農作物に被害が出やすい季節です。

八朔も含め、

  • 八朔(旧暦の8月1日、現暦では9月の初め頃)
  • 二百十日(現暦で9月1日頃、立春から数えて210日目)
  • 二百二十日(現暦で9月11日頃、立春から数えて220日目)

の3つは、「農家の三大厄日」として、昔は警戒が必要だとされていたんですね。

そのため八朔の時期に行われる「八朔祭り」では、無事に農作物が実る事を願いました。また風の神をお祀りして、台風や雨風による被害を抑えることも願ったんですね。

【関連記事】
二百十日と二百二十日の意味や風習について。日にちはいつ?

主な八朔祭りを2つ紹介!

八朔祭りの中でも特に有名なものを、2つ紹介しますね。

大阪・開口神社の八朔祭

開催日:9月最初の金・土および翌週の木・金

大阪堺市にある開口神社(あぐちじんじゃ)は、600年以上も前から八朔祭を行っています。特に9月最初の金・土では、「ふとん太鼓」と呼ばれる大きな山車が登場するんですよ。

ふとん太鼓とは太鼓を乗せた山車のことで、上部に逆ピラミッドのように布団の飾りを乗せています。多くの人が担ぐふとん太鼓は、とても迫力がありますよ!

□新在家 担ぎ出し(開口神社八朔祭2017 宵宮)

*掛け声も勇ましく、「ふとん太鼓」の迫力に驚かされます。

熊本・山都町の八朔祭

開催日:毎年9月第一土・日曜日

熊本県上益城郡山都町(やまとちょう)の八朔祭は、凶作続きだった1757年(宝暦7年)から始まった地域のお祭りです。

五穀豊穣と豊作を願って、「大造り物」と呼ばれる竹やシュロの皮でできた大きな人形が練り歩きます。大造り物は毎年制作され、世相を風刺したユニークな作品などが楽しめるんですよ!

□八朔祭造り物 ヤマと森の女王引き回し

*雪ではなくて「ワラ」を飛ばしそうな、とてもリアルな女王ですね!

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柑橘類の「八朔」との関係は?

果物の「はっさく」とは?

果物の「八朔」は、江戸時代末期の1860年ごろに広島県・因島(いんのしま)の浄土寺にあった樹木から生まれた、日本独自の柑橘類です。

果物の八朔

大きさはみかんよりも大きく、袋が厚くかたいことから袋をむいて実だけをいただきます。

味は上品な甘さの中に酸味がありますが、収穫したては酸味が強い傾向があります。そのため収穫後に1、2ヶ月ほど貯蔵し、酸味が落ち着いてから出荷することが多いんですね。

八朔の時期から食べられる?

「八朔」は江戸時代末期に因島の浄土寺で原木が発見されましたが、その後明治時代になる頃に栽培が行われるようになりました。

八朔という名前がついたのは1886年(明治19年)のこと。名前の由来は、「八朔の頃から食べられていたから」です。

ただし旧暦8月1日(今の9月頃)には、まだ八朔の実は小さく、実際には食べることができません。12月~2月に収穫され、1、2ヶ月熟成させた後、主に2月~3月頃に市場に出回る冬の果物なんですね。

八朔に豊作を願って

八朔(はっさく)は旧暦8月1日の別名で、今の暦ですと9月初め頃の時期となります。台風が長雨が多い時期のため、今でも関西を中心に豊作祈願の「八朔祭り」を行う地域もあるんですね。

また果物の八朔は、八朔の時期から食べられていたという逸話から名付けられました。実際は秋ではなく冬の果物なので、八朔祭りを楽しみながら食べるのは難しいですね。

秋に関西方面への旅行を計画するなら、豊作祈願の「八朔祭り」が行われる、9月初めの時期にするのもいいですね。