朝方に空が赤くなる光景は「朝焼け」、夕方では「夕焼け」と呼ばれます。いずれにしても美しい光景ですね。
ただ、その場で見ているときと違って、写真や映像で見た時には、どちらが朝焼けで、夕焼けなのか?見分けることができますか?
一見すると、違いがわからない方も多いのではないでしょうか。
そんな、朝焼けと夕焼けの原理と違い、そして見分ける方法があるのか?といった内容について紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
夕焼けとは?
太陽が沈む時に西の空が赤くなる

夕焼けは、太陽が沈む時に西の空が赤くなる現象です。季節によって多少色に変化があり、夏はより赤く・冬はオレンジや黄色が強く出ることが多くなります。
太陽が沈む時に空が赤く染まるのは、太陽が出す光と太陽の傾きが関係しています。
太陽の光は、分解すると「紫色・藍色・青色・緑色・黄色・橙色・赤色」の7色。その7色が一つに集まることで、普段は白または透明な光と認識されているんですね。
光の色にはそれぞれ違った波長があり、特に
- 紫色・藍色・青色は、波長が短い
- 赤色・橙色は、波長が長い
という特徴もっています。
そして光の波長は、空気中のチリとぶつかると反射する特徴も持っています。特に紫色などの短い波長はチリにぶつかって反射しやすく、赤色や橙色はあまり反射されないんですね。
そんな光の波長の違いは、昼間と夕方の空ではっきりと出てきます。
昼間は、地表に対してまっすぐ太陽の光が注がれます。この時青系の光が真っ先に反射するため、空が青く見えるんです。
ところが、夕方になると地表に対して斜めに太陽の光が差し込み、より長く大気中を通過していきます。すると青系の波長があちこちで反射されて少なくなり、残った赤系の波長の反射がより強くでてきます。
その結果が「赤く染まった空」となり、夕焼けとなるわけですね。
□【タイムラプス】夕日・水平線
https://youtu.be/cy_of84pDvU
*時間の経過と共に、太陽と中心に空が赤く染まるのがわかりますね。
朝焼けとは?
太陽が登る時に東の空が赤くなる
朝焼けは、太陽が昇る時に東の空が赤くなる現象です。
空が赤く染まる理由は夕焼けと同じで、太陽の赤い光がより強く反射されているからです。
ただし朝焼けは夕焼けと違って太陽が昇っていくため、時間の経過とともに空はだんだんと青くなっていきます。そのため朝焼けを確実に見たいなら、天気の良い日の出の時刻に東の空を見る必要があるですね。
□アンコールワットの朝焼け
https://youtu.be/MpcDhKbznwc
*夕焼けとは逆に、赤く染まった空がだんだん青くなるのがわかりますね。
朝焼けは、夕焼けより薄く、まぶしい
朝焼けの色は赤色というよりは、黄色またはオレンジに近い色となります。また色は薄く感じられますが、光そのものは強くまぶしく感じられる傾向があります。
これには夜明け直後の大気中は、チリやゴミが少ないことが関係しています。
先程も記載した通り、朝焼け(あるいは夕焼け)が赤く見えるのは、青よりも赤い波長がより強く反射するから。ですが朝方は、反射する元であるチリやゴミが少ないので、光は色が揃ったまま地表に到着していきます。
それでもチリやゴミはありますが、朝の光は大気中を長く通過していきます。そして少ないチリに青い波長が拡散し、残った赤い波長が強めに出ます。
その結果、光は強く届くけれどやや色が薄い「朝焼け」となるんですね。
朝焼けと夕焼けの見分け方
映像(動画)での見分け方
夕焼けまたは朝焼けの映像(動画)は、太陽の動きで判断できるのでカンタンです。
逆回転の映像でもない限り、朝焼けなら太陽は昇りますし、夕焼けなら太陽は沈んでいきます。当たり前の事ですが、確認の意味もこめて、映像や動画は太陽の動きをチェックしましょう!
もしも逆回転の可能性が考えられるなら、周囲の動物・鳥・車などの動きを一緒に確認するとより確実ですね。

写真での見分け方
夕焼けの写真は美しいですし、初日の出の朝焼けの写真は縁起が良さそうですよね。しかし写真として比べた場合、夕焼けか朝焼けかの判断は実は難しいです。
夕焼けと朝焼けには、次のような違いはあります。
- 夕焼け…赤みが強く出て、光がそれほど強くない
- 朝焼け…黄色やオレンジ色がやや淡くでて、光が強く出る
しかし撮影時の季節、天候等の条件によって、色彩が淡い夕焼けも、赤みが強い朝焼けもありえます。また撮影者のテクニックによって、よりくっきりとした夕焼けも撮影することは可能です。
デジタルデータであれば撮影時間を確認したり、撮影者本人から確認を取るのが確実かもしれませんね。
一日の始まりと終りに美しい光景を眺めよう
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毎日忙しく働いていると、空を見上げることも少なくなってきます。夜明け前に家を出て通勤する人もいれば、夜遅くまで働く人も多いですよね。
その昔は「朝焼け」とともに起きて、「夕焼け」とともに一日の仕事を終えていました。さすがに現代ではこんな生活は難しいですが、せめて夕焼けぐらいは眺める余裕を持ちたいですね。
少し早起きして朝焼けを眺め一区切りとして夕焼けを眺めて、空の変化を楽しみませんか?
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