一年に一度だけ会える、織姫と彦星の伝説がある7月7日の七夕。どこかロマンチックでもありますよね。

実は織姫と彦星の伝説では、カササギという鳥が作る「カササギの橋(鵲橋)」が登場します。カササギは日本ではあまり見かけない鳥ですが、七夕に出てくる由来は何なのでしょうか?

そこで、

  • 七夕にカササギの橋(鵲橋)が出てくる由来
  • 日本にもある「かささぎ橋」とは?
  • カササギとはどんな鳥?

といった内容でお伝えしていきます。ぜひ参考にしてくださいね。

七夕にカササギの橋(鵲橋)が出てくる由来

織姫と彦星が会えるように橋を作る

七夕の夜

七夕の伝説は、中国から伝わった風習と、日本の風習が混ざっています。その中でも、織姫と彦星のお話は、古代中国の「牛郎織女(ぎゅうろうしょくじょ)」という伝説から来ています。

星空を支配する天帝の娘だった「織女(織姫)」は、機織りの名手でした。着飾ることもなく機織りを続ける姿に、天帝は「良い男を紹介したい」と考えるようになりました。

そして真面目な牛飼い「牽牛郎(彦星)」を見つけ、織姫と会わせることにしました。すると織姫と彦星の2人はたちまち恋に落ちたのですが、夢中になりすぎて働かなくなってしまいました。そのため神様の怒りにふれてしまい、2人の仲は引き裂かれてしまいます。

仲を引き裂かれた二人は、悲しみのあまり何も出来なくなります。そこで神様は「1年に一度だけ会っても良い」というと、二人は真面目に働き出しました。そして7月7日の一日だけ、天の川を渡って二人は会うことができるようになりました。

年に一度だけ7月7日に会うことができる二人ですが、どうやって会いに行ったかわかりますか?

実はたくさんのカササギが翼を広げ、橋となってくれたのです。カササギのおかげで天の川を渡って2人が会うことができるわけですね。

このことは、「淮南子(えなんじ)」という紀元前2世紀頃の中国の古い書物にも以下のように記されています。

填河成織女
(烏鵲河を填めて橋を成し、織女を渡らしむ)

今の言葉で言うと、「カササギが河を埋めて、橋となって、織女を渡しました」という意味になります。

伝説から来ているとは言え、カササギにもっと感謝したくなりますね。

日本にもある「かささぎ橋」とは?

かささぎ橋は大阪・枚方にあった!

織姫と彦星とカササギ

織姫と彦星が渡った「カササギの橋」ですが、実は日本にもあるんです!

それが、大阪府枚方市(ひらかたし)の「天野川」にかかる、「かささぎ橋」です。
※かささぎ橋の”かささぎ”は、ひらがな名になります。

しかも天野川の上流にあたる交野市(かたのし)には、「機物神社(はたものじんじゃ)」という織姫にゆかりのある神社もあります。

少し離れた「観音山公園」というところには、「牽牛石(けんぎゅうせき)」という大きな石がありますし、天の川に掛かる橋には、逢合橋(あいあいばし)や天の川七夕橋という橋もあるんですね。


※(紫)かささぎ橋、(緑)機物神社、(青)牽牛石、(赤)逢合橋、(黒)天の川七夕橋

枚方市とお隣の交野市一帯は、日本における七夕伝説にゆかりのある場所です。

この地域はもともと「交野が原(かたのがはら)」と呼ばれ、北極星を祀って国家安泰を祈願していました。また星が降りてきたという場所がいくつもあり、「星田」「星ヶ丘」と「星」とつく地名も多く残っています

平安時代にはすでに「七夕伝説の場所」として知られ、和歌も残されているほど。七夕にあやかりたいなら、枚方市や交野市へ遊びに行くのもロマンがあっていいですね。

□枚方市シティプロモーションムービー「七夕」
https://youtu.be/zeekIBQkwLA

*こちらの動画に登場する橋が「かささぎ橋」です。「おりひめちゃん」と「ひこぼしくん」が巡り会えてよかったですね。

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カササギとはどんな鳥?

七夕伝説にでてくる「カササギ」とはどんな鳥なんでしょうか?

白い羽と黒い体

カササギはスズメ目カラス科の鳥で、大きく分類すると「カラス」の仲間です。カチガラス、あるいはコウライガラス(高麗烏)という別名もあります。

カササギ

カササギは、漢字で書くと「鵲」となりますが、カラスを一回り小さくした大きさで、お腹や羽の一部が白い特徴があります。羽を広げると先端と付け根が白く、その他のが黒または緑・青に見える美しい鳥でもあるんですよ。

日本にやってきて定着

カササギは北アメリカ大陸西部・ヨーロッパ全土から中国・朝鮮半島一帯…と、北半球に広く生息しています。もともと日本には生息していませんでしたが、江戸時代初期に現在の佐賀・福岡の一部で飼育が始まりました

国の天然記念物に指定されるほど貴重なカササギでしたが、1970年代から他の県へも生息域が広まります。それには山林開発が進んだことで、住処を求めて、一部は広い地域へ移動したためと考えられています。

現在では佐賀県以外にも、福岡県・長崎県・長野県・北海道でもカササギを見かけるようになりました。

幸運を運ぶカササギ

カササギは中国では「喜鳥」とも書き、幸福をもたらす鳥として親しまれています。

素敵な恋人との結婚や子宝など、特に恋愛や結婚関係で幸せをもたらせてくれるんですよ。織姫と彦星の伝説でも橋渡しをして2人の仲を応援してますし、実際に見かけたらあやかりたいですね。

また中国では大事な商談の前にカササギを見かけると、自分にとって有利に話がすすむと言われています。運気アップのご利益があるとして、カササギの絵を飾る人もいるほどなんですね。

同じように韓国でも、カササギは縁起の良い鳥として親しまれています。

カササギは幸運の鳥

【関連記事】

織姫と彦星の伝説は、一年に一度だけ会うことが許された恋人の話です。実は会いに行く時に「カササギ」が橋となっていたと聞くと、カササギのけなげさに驚かされますね。

大阪の枚方市には「かささぎ橋」や織姫・彦星ゆかりの場所もあるので、遊びに行くのも素敵です。さらに中国ではカササギは幸運を呼ぶ鳥とされ、恋愛・結婚・子宝・仕事運などのご利益が期待できます。

地域は限られますが、もし街角で白い羽と黒い体のカササギを見かけたら、運気アップを願ってみませんか?

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