多くの意見に触れたり知識を深めるためには、ネットだけではなく新聞・書籍・小説を読むことも大切です。しかし難しい言葉が出てきた時に、つい読み流してしまうこともありますよね。
そんな読みがわかりづらい言葉の一つに「逡巡」があります。読みは「しゅんじゅん」と言いますが、その意味や類義語を聞くと「なるほど!」と思う言葉なんですね。
そんな「逡巡」の意味・使い方・類語について紹介します!
逡巡の意味は?
悩み続けて決断できない

逡巡の読みは「しゅんじゅん」。新聞・小説などの文章を中心に使われる言葉です。そんな逡巡の意味は、次のものとなります。
- ためらうこと、ためらい
- 決断できずにぐずぐずすること
- しりごみ(尻込み・後込み)をすること
「ためらう」や「しりごみ」は、なかなか決断できずにいるという意味があります。どの意味でとった場合でも、やや後ろ向きの意味を持つ言葉になりますね。
「逡」と「巡」、それぞれの漢字の意味は?
逡巡という意味を理解するには、「逡」と「巡」それぞれの漢字の意味を知るとわかりやすいです。
逡巡の「逡」は音読みで「しゅん」とも読み、訓読みでは「しりぞく(逡く)」「ためらう(逡う)」となります。
先に紹介したように、「しりぞく」も「ためらう」も「逡」の漢字が由来になるんですね。また「逡」には、他に「ゆずる(譲る)」という意味もあります。
一方の「巡」は音読みで「じゅん」と読み、訓読みでは「めぐる(巡る)」と読みます。様々な場所を回ったり、回った後に元の場所に戻るという意味があるんですよ。
考えや気持ちが同じところでぐるぐる周り、決断できずにまた悩んでしまう。「逡」と「巡」、2つの漢字を組み合わせるとこんな意味となるんですね。
逡巡の使い方は?

逡巡は、次のような場面で使います。話言葉にすると伝わりにくいので、文章の中で使うのが最適ですね。
- 同業他社へ転職するかどうかで、一ヶ月以上逡巡している。
- 家を買うことは一大事だが、いつまでも逡巡していては話が進まない。
- しかし家を買うことは、その後の人生を決めることでも有るので、逡巡する気持ちはわかる。
大きな決断に対して悩み続けて決断できずにいる時に、「逡巡」は使われます。「逡巡」そのものに後ろ向きな意味があるので、文章でも否定的な表現として使うこともあります。
一方で「慎重である」と前向きに受け止める時も、「逡巡」を使うことができます。
- 学部選びに逡巡したまま提出期限となったので、最初に考えた学部を選ぶことにした。
また決断した後に、悩んでいる期間に対しても「逡巡」は使われますね。
逡巡の類語は?
躊躇
逡巡に似た意味を持つ言葉に、躊躇(ちゅうちょ)があります。
躊躇の意味は、
- 決心できずにぐずぐずすること
- ためらうこと
- とまどう
…と、逡巡と同じなんですよ。
逡巡との違いは、躊躇のほうが悩みが軽いことです。
例えば何かを買おうとした時に悩んだけれど、その場で決断できたら「躊躇」です。もし一度は決断したけれど、やはり購入するか悩むなら「逡巡」と表現されるんです。

生煮え
生煮えとは、料理を作る時に野菜や肉に、しっかり火が通っていない状態のことを言います。そこから転じて、どちらなのかはっきりしない状態のことを指すようになりました。
逡巡との違いは、悩んでいる期間は関係なく、はっきりしていない状態に対して使うことです。
悩んで決断できず「逡巡」している人や状態に対して、
- そんな生煮えでどうするんだ?
- 生煮えで意見がまとまらないなら、決まってから発言してほしい。
…というように、表現します。
優柔不断
逡巡に近い四字熟語を選ぶなら、優柔不断が近い意味となります。
優柔不断には、
- ぐずぐずしていて気が弱く、決断ができないでいること。
…という意味があります。
ただし優柔不断は物事が決められない以外にも、頼みごとを断りきれない時にも使われます。逡巡は頼まれ事に対しては使うことが少ないので、使い分ける必要がありますね。
躊躇逡巡
逡巡を使った四字熟語には、躊躇逡巡(ちゅうちょ しゅんじゅん)があります。
意味は逡巡と同じく、
- 決心できずにためらい、ぐずぐずすることや状態のこと。
…という意味があります。躊躇逡巡にはマイナスイメージもあるため、あまり使われない四字熟語ですね。
マイナスイメージがあるがプラスの意味で使うことも
物を買うときや何かを決める時に、色々と検討して悩むこともあるでしょう。しかしいつまでも悩み続けていると、決断力のない人だと判断されてしまうかも知れません。
逡巡はそんな悩み続ける事に対して使う言葉で、マイナスイメージのある言葉です。しかし物事を慎重に考えるとも言えるため、プラスの意味でも使う言葉でもあるんですよ。
前向きにも後ろ向きにも使われる言葉ですので、場面に応じて使うべきかを「逡巡」しましょう!
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