
食べ盛りの子供がいる家庭にとって、「食べ放題」のお店は重宝しますね。逆に部屋の「散らかし放題」には困ったものです。そんな「〜放題」という言葉ですが、本来はどういう意味だったのでしょう?言葉の由来も気になるところです。
そこで、「放題」の意味や言葉の由来、また似た意味をもつ類語には何があるのか?について紹介していきます。ぜひ参考にしてくださいね!
放題の意味とは?
自由気ままな意味を持つ

「放題」には、次の意味があります。
- 並外れていること、並外れた様子。
- 常識はずれの行いや振る舞いをすること。
- 下品なふるまいや、礼儀正しくない様子。
- 思いのままに、勝手気ままに行動すること。またその状況をそのままにしておくこと。
「○○放題」と聞くとお得なイメージがありますが、どちらかといえば自由気ままな意味を持つ言葉です。また礼儀正しくない行動といった、ややマイナスの意味もあるんですね。
「放題」の使い方
放題という言葉は、単体では使わず、「○○放題」という形で使われます。
並外れたシステムの意味で
この中でよく目にするのが、「食べ放題」や「飲み放題」。ご存知の通り、一定金額を支払うことで、指定された飲食物をいくらでも食べても良いシステムのことですね。
一般の飲食店では料理一つ一つに価格設定があり、食べれば食べるほど料金はプラスされていきます。そうではなく「いくら食べても一定料金」ということで、並外れているシステムなので「放題」とつくんです。
並外れたシステムという意味での「放題」は、他にも、
- (カラオケ店の)歌いたい放題
- (アミューズメント施設での)遊び放題
- (電子書籍や電子雑誌の)読み放題
- (バス・電車などの)乗り放題
- (携帯電話の定額利用サービスの)パケ放題(パケット使い放題)
…などが、よく目にする言葉です。
勝手気ままな行動の意味で
一方で「勝手気ままな行動」に関しては、次のように使われます。
- やりたい放題
- 散らかし放題
- 荒れ放題
周囲の考えや発言を無視し、自分の思うがままに行動する様子は「やりたい放題」と言われます。痛快だとして良い意味で使うこともあれば、礼儀正しくないと悪い意味でも使われるんです。
また物を出したままにして後片付けをしないのは、礼儀正しくはないので「散らかし放題」と呼ばれます。そして庭などの手入れが入らず、草木が生い茂る様子は「荒れ放題」と言われてしまいます。
いずれも悪い意味・マイナスイメージで使う言葉なので、使う場面には注意したいですね。
放題という言葉の由来は?
規律に縛られずに
放題は「傍題(ぼうだい・ほうだい)」から変化して生まれた言葉。その「傍題」には次の意味があります。
- 主題を補助するためにつけられる副題、タイトルに対するサブタイトル。
- 和歌や俳句で、決められたお題から外れて和歌や俳句を読むこと。
放題の由来となったのは、後者の和歌や俳句での読み方に関するものです。
何人かで集まって和歌や俳句を読む場合、テーマを決めて作品を競い合うことがあります。その時に決められたテーマから離れた作品を読むと、出来が良くてもテーマに沿っていないと判断されてしまいます。
このような本題からずれて自由に作品を作ってしまう事を、「傍題」と呼びました。その「傍題」から「放題」という漢字に変化し、勝手気ままな行動を指す言葉となったんですね。

「放題」の類語にはなにがある?
無制限
食べ放題や飲み放題などの、制限なく何かを利用できる場合は「無制限」と言いかえることが出来ます。
一般的に食べ放題では時間制限があることが多いものですが、「時間無制限」のお店もありますよね?この場合は「(食べ)放題」と「(時間)無制限」が言葉として並んでしまいます。ですが、対象が「食べること」と「時間に対して」で違うので、二重表現とはならないんですね。
三昧
三昧(ざんまい)とは仏教用語で、精神を集中して雑念を捨てるという意味の言葉です。そこから転じて一つのものごとに集中し、そのことをやりたがるという意味もあります。
放題と似ていますが、特定の物事に対して集中的に行う点に違いがあります。
縦横無尽

やりたい放題を良い意味で表現したいときは、縦横無尽(じゅうおうむじん)と言い換えましょう。
縦横無尽には、「物事を思う存分、自由自在に行う」という意味があります。四字熟語にすることで文章も引き締まりますし、なにより「縦横無尽の活躍」という表現がかっこいいですよね。
状況にあわせて「放題」を言い換えるものアリ
「放題」は元は「傍題」という、俳句や和歌で使われた言葉が変化したものです。お題から外れて作品を作ることから来た「放題」は、勝手気ままな振る舞いという意味があります。
その一方で並外れた様子という意味もあり、食べ放題などの制限なく利用できる事を指す言葉となりました。
放題と聞くとお得感がありますが、一方で礼儀のない状態を指す言葉でもあります。状況に合わせて「三昧」「縦横無尽」などと言い換えて、「言いたい放題だな」と指摘されないように気をつけたいですね。
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