新しい年を迎えるお正月には、おみくじを引いて、1年の運勢を占ったりしますよね。
1年の運勢を占うと言えば、「初夢」があります。「一富士 二鷹 三茄子」とよく言われますが、一、二、三それぞれにあまり関連がないような気もします。
どうして「一富士 二鷹 三茄子」なんでしょう?
縁起の良い初夢である、「一富士 二鷹 三茄子」の意味・由来、そして三の続きはどうなっているか?など、初夢について紹介します。
一富士二鷹三茄子の意味・由来・夢の解釈は?
一年の最初に見る夢とされる「初夢」。1年の吉凶を占うものとされていますが、中でも「見ると縁起がいい」とされるものに、「一富士、二鷹、三茄子」があります。
「一富士、二鷹、三茄子」の由来
「一富士、二鷹、三茄子」(いちふじ、にたか、さんなすび)は、東京都文京区本駒込にある「駒込富士神社(こまごめふじじんじゃ)」に由来すると言われます。
駒込富士神社は、江戸時代の富士信仰の拠点の一つで、今でも「お富士さん」と呼ばれている神社です。
初夢で有名な「一富士、二鷹、三茄子」は、この駒込富士神社の周辺に鷹匠屋敷があった事と、駒込茄子が名産物であった事によるとされています。
「駒込は一富士二鷹三茄子」と、江戸時代の縁起物として、川柳にも詠まれています。
「一富士、二鷹、三茄子」の意味
「縁起が良い」とされる「一富士、二鷹、三茄子」ですが、それぞれどんな意味があるのでしょう?
これには、いろいろな説があり、
- 武士は「無事」、鷹は「高い」、なすは事を「成す」という掛けことば
- 徳川家康が、富士山・鷹狩り・初物の茄子を好んだことから
- 徳川家、緑のちの駿河国で高かった順で、富士山、愛鷹山、初物の茄子の値段
などがあります。
富士、鷹、茄子を個別に見てみると
- 富士: 高い目標や理想をあらわし、立身出世の象徴
- 鷹: 可能性の広がりや自由な行動力をあらわし、開運や夢の実現につながる
- 茄子: 事を「成す」に通じ、蓄財や子孫繁栄をあらわす
となります。
「一富士、二鷹、三茄子」は初夢に見ると良いことを考えると、納得ですね。
「一富士、二鷹、三茄子」もう一つの意味
「一富士、二鷹、三茄子」は「縁起が良い初夢」とされますが、その一方で「仇討ち(あだうち)」の隠語であると言う説もあります。
- 富士:富士の裾野での曾我兄弟の仇討ち
- 鷹:忠臣蔵での敵役 浅野長矩の紋所が鷹の羽
- 茄子:鍵屋の辻の決闘の舞台 伊賀上野の名産物
をそれぞれ表していると言われます。
そもそも「夢」とは?
古の昔、夢とは、神仏によって「見せられるもの」だと考えられていました。夢は「イメ(寝目)」と呼ばれ、特権者が特別な場所で、特別なやり方で見るものだったのです。
しかし、時代が進むにつれ、夢もしだいに特権的な神聖なものから、一般的・個人的なものへと変わっていきます。鎌倉時代以降、夢は、誰でも・どこでも見られるものになるとともに、その「神聖性」も失われてきました。
そして夢は「何らかのサイン」として理解されるようになってきたんです。これは、今も続いていると考えられますね。
三の続き(四以降)はあるの?
初夢に見ると良いとされる「一富士、二鷹、三茄子」は知っている方が多いものです。では、三の続き(四以降)があるのはご存知でしょうか?
三の続きについては、いくつか説があるんですね。
- 四扇(しおうぎ/しせん)、五煙草(ごたばこ)、六座頭(ろくざとう)
- 四そうろう(葬礼)に五せっちん(雪隠、便所)
- 四葬式、五雪隠 / 四雪隠、五葬式
- 四葬礼、五糞
- 四に葬式、五に火事 / 四葬式、五火事
などがあります。
四扇、五煙草、六座頭とする説
「四扇(しおうぎ)、五煙草(ごたばこ)、六座頭(ろくざとう)」はそれぞれ次の意味を持っています。
四以降 | 意味 |
---|---|
四扇 しおうぎ/しせん | 末広がり |
五煙草 ごたばこ | 祭りや祝い事に欠かせない。煙が上に上がるので縁起が良い |
六座頭 ろくざとう | 座頭とは、琵琶法師の座に所属する剃髪した盲人のこと。「毛が無い」ことから「怪我が無い」に通じる |
いずれも、縁起が良い意味にとれますね。
また、「四扇、五煙草、六座頭」は、それぞれ「一富士、二鷹、三茄子」にそれぞれ対応しています。
対応 | 言葉 | 意味 |
---|---|---|
1と4 | 富士と扇 | 末広がりで子孫や商売の反映 |
2と5 | 鷹と煙草(の煙) | 上昇して行くので運気上昇 |
3と6 | 茄子と座頭 | どちらも「毛が無い」ことから「怪我が無い」と家内安全 |
四、あるいは五を葬式・葬礼とする説
一方、「四葬式、五雪隠」「四葬式、五火事」等は、縁起が良いとは言えませんね。
こちらは「逆夢」としたり、「予兆」「内容によって良し悪しが違う」などいくつかの解釈があります。
ちなみに「雪隠(せっちん)」とはトイレのこと。若い方は、聞いたことが無いかも知れませんね。
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夢占いの結果は?
私は、夢占いに限らず「占い」全般について、「いい結果が出た時だけ信じる」ことにしています。
「占い」に振り回されるのがイヤなので、そもそも「占い」をあまり見ないようにしているんですが、それって、実は気にしていることの裏返しでもあるんですよね。
「初夢」どころか、最近は夢を見ること自体減っている気もするのですが、「初夢」にいい夢を見たい方は、「七福神や宝をのせた宝船の絵」を、枕の下に敷いておくといい夢が見られるそうですよ。
もし、悪い夢を見てしまっても、1年の運勢が悪いと決めつけるのは早計です。夢は、あくまで「サイン」。「いつもより気を付けよう」と思えばそれでいいのです。
それでも、気になる方は、午前中のうちに人に話してしまうといいんだとか。きちんと「逃げ道」が用意されているところが、いいところですね。
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