2月の行事と言えば、節分の豆まきは欠かせません。豆をまいて鬼退治をすることで、悪霊退散と無病息災を願う行事ですよね。

実は2月には、奈良の長谷寺「だだおし」という鬼退治に関連した行事もおこなわれているんです。「だだおし」とは変わったネーミングですが、どんな行事なのか気になりますよね。

そんな、奈良・長谷寺のだだおし、2024年の日程や見どころ、アクセス、駐車場について紹介します。ぜひ参考にしてくださいね!

長谷寺・だだおしの2024年の日程

節分より後の2月14日に開催!

奈良・長谷寺

奈良・長谷寺の「だだおし」は、毎年2月14日に行われています。2月14日といえばバレンタインデーですが、長谷寺では特別な意味を持つ日なんです。

その他の情報も、合わせて紹介しますね。

  • 開催日程:2024年2月14日(水)
  • 開催時間:15:00~17:30
  • 開催場所:長谷寺境内 本堂 (奈良県桜井市初瀬731-1)
  • 入山料:500円(小学生は250円)

長谷寺のだだおしとは?

鬼を退け春を呼ぶ

鬼たち

奈良一帯の歴史あるお寺では、

  • 仁王会(にんのうえ)
  • 修正会(しゅしょうえ)
  • 修二会(しゅにえ)

…という、国家繁栄や人々の罪を悔い改める法要が行われています。

長谷寺でも、

  • 1月1日~7日まで「修正会」
  • 2月8日~14日まで「修二会」

が行われています。

この「修二会」の最後を締めくくるのが、「だだおし」なんです

正式には追儺会(ついなえ)と呼ばれる「だだおし」は、火を使って鬼退治を行ないます。そうして奈良一帯に春を呼び込み、無病息災を願うんですね。

ちなみに鬼退治と言えば節分が有名ですが、長谷寺ではだだおしとは別に節分の行事も行われています。

だだおしの名前の由来は?

「だだおし」という聞きなれない名前ですが、いくつかの由来があります。

えんま様の道具から

長谷寺を開いた時期は諸説あり、そのうちの一つが徳道上人(とくどうしょうにん)が735年(奈良時代:天平7年)に開いたというものがあります。そのきっかけが、えんま様から「お寺を開きなさい」と言われたことなんです。

この時に「閻浮檀金宝印(えんぶだごんほういん)」という金印をいただき、信者の額に押して悪霊退散としました。この金印が檀拏印(だんだいん)とも呼ばれるため、「檀拏押し」がなまって「だだおし」となったという説です。

また、えんま様は「だだ」という杖をもち、地獄へ来た人に罰を与えています。だだおしで使う道具の一つが、この「だだ」に似ていることから「だだおし」となった説もあります。

鬼退治の音

鬼退治の行事の際に、鬼を追い詰める足音が「だだだだ」と聞こえるので「だだおし」となったという説ですね。

東大寺の行事から

奈良には「東大寺」という有名なお寺がありますが、こちらでも修二会は行われています。

【関連記事】
奈良東大寺のお水取り。修二会の日程と混雑状況は?

東大寺では松明を持って境内を歩く「達陀(だったん)」という行事があり、これが由来だとも言われています。

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長谷寺「だだおし」の見どころ

巨大な松明が

松明

「だだおし」では赤・青・緑の鬼が登場し、境内を大暴れします。この時、法螺貝(ほらがい)の音が鳴り響き、太鼓も鳴らされてとても賑やかなんですね。

大暴れする鬼に対して長谷寺の僧侶達が持ち出すのは、長さが5m近くもある巨大な松明(たいまつ)です。

重さ120kgにもなる巨大な松明に火をともし、鬼たちを追いかけ回して退治します。特に最後に行われる「赤鬼退治」では、本堂を三周しながら追い詰める様子は迫力満点です!

ちなみにこの松明から落ちた燃えかすにはご利益があり、持ち帰る人も多いんですよ。

□長谷寺だだおし
https://youtu.be/yBBhmWrumLo

*1分25秒あたりから鬼が乱入し、1分40秒ごろから松明で鬼退治となります。

ご利益のあるおふだ

長谷寺では、「だだおし」用に特別祈願した「牛玉札」を、授与(販売)しています。お札は一体3000円で、授与されると国宝である礼堂に上がれるんです。

礼堂ではだだおしの前に行われる法要が見学でき、その後の「だだおし」もしっかり楽しめますよ。

 

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アクセス

公共交通機関でのアクセス

公共交通機関を利用する場合は、近鉄大阪線が便利です。

大阪方面からは、JR大阪駅から環状線・京橋方面行きに乗り、鶴橋駅で近鉄大阪線に乗り換えます。後は近鉄・長谷寺駅を下車すれば、徒歩15分ほどで長谷寺に到着します。

車でのアクセス

大阪方面から来るまで行く場合は、西名阪自動車道を利用します。天理ICから国道169号線を桜井方面へ走り、桜井市内で交わる国道165号線を左折しましょう。

その後「初瀬西」の信号を左折すると、長谷寺のある門前町に到着します。

駐車場について

長谷寺には70台が収容可能な有料駐車場があります。また、長谷寺周辺にも有料駐車場があります

番号駐車場台数料金場所
1長谷寺境内駐車場70台1回500円桜井市初瀬731-1
2境内前パーキング7台1回500円桜井市初瀬738-1
3いせ辻駐車場36台12時間500円桜井市初瀬825
4長谷寺前駐車場(岸本駐車場)20台1回500円桜井市初瀬765
5豊森駐車場60台1回500円桜井市初瀬677-5
6山口駐車場12台1回500円桜井市初瀬945-2
7初瀬観光センター50台1回500円桜井市初瀬1593

長谷寺境内駐車場は、「ただおし」などの行事がある日は、早い時間からすぐに満車になってしまいます。他の駐車場についても、駐車したいなら早めの行動が安心ですね。

迫力ある「だだおし」の鬼退治

退治と言えば節分の豆まきですが、長谷寺では「だだおし」が鬼退治の行事となります。その方法は巨大な松明をつかうもので、炎の熱量と鬼の迫力にびっくりしますよ!

松明の燃えかすにはご利益がありますが、熱いのでやけどには注意してくださいね。また炎を使う行事のため、セーターなどの燃えやすい服装にも要注意です。

日本古来の風習を体験したいなら、2月14日のバレンタインデーに行われる「だだおし」を見に行きませんか?

開催については公式HPをご確認の上ご参加ください。