
猫はその姿が愛らしく、大事な家族として共に暮らしている人も多いのではないでしょうか。また猫と地元住人が共存している島や地域などが、猫に会える観光名所になっていることも。
そんな街角で暮らす猫を見ていると、片耳の一部がカットされているのを見たことがありませんか?
「誰かのイタズラ?」と思ってしまいそうですが、実は猫と地域を守るための証なんですよ!
そこで、
- 猫の耳がカットされている意味や理由
- TNR活動とは?
- 耳の左右のカットや形の違い
- 猫の耳をカットする時に痛みはあるのか?
…といった内容についてまとめてみました。ぜひ参考にしてくださいね!
猫の耳がカットされている意味や理由
なぜ耳の一部がカットしてあるのか

猫の耳の一部がカットされているのを見ると、その切り口はきれいだと思いませんか?
これは怪我や生まれつきのものではなく、人の手でカットされたもの。もちろん虐待などではなく、「避妊・去勢済み」である事を知らせるためのものです。
室内で飼われている猫であれば、飼い主が不妊手術を行ったりなど繁殖のコントロールはある程度可能となります。
しかし野良猫はそうもいかず、放置しているとあっという間に野良猫が増えることに。そうなるとその地域にとっても良くないですし、結果的に殺処分される猫が増えることにもつながるので不幸なことですよね。
そんな不幸な猫を増やさないために、避妊・去勢手術や保護を行う「TNR活動」が行われています。
このTNR活動によって手術を受けた印として、猫の片耳の一部がカットされています。またカットする際に耳先をさくらの花びらのようにV字カットすることから、そうした猫は「さくらねこ」とも呼ばれています。
TNR運動とは?
「TNR活動」とは地域の猫のための活動で、世界中のボランティア団体が行っているもの。日本でもいくつかの団体や地域で活動が行われ、募金などによって支えられてます。
TNR活動とは、次の3つの言葉の頭文字から取られたものです。
- T…Trap(トラップ) - 野良猫を捕獲する
捕獲の際には猫を傷つけないようにし、捕獲器を使う場合も慎重に。また事前に捕獲の目的を告知することで、TNR活動への理解を求めています。
- N…Neuter(ニューター) - 去勢・避妊手術を行う
獣医さんの手によって手術が行われ、この時に片耳の一部がカットされます。
- R…Return(リターン) - 地域に戻す
元の地域に猫を戻し、ボランティアによって定期的に餌(エサ)を与えています。エサは置きっぱなしにせず、猫が食べ終えたらすぐに片付けて清掃も。この時に新たな野良猫を発見したら、捕獲して手術を行います。
こうしたTNR活動は、素早く・徹底的に・継続して行うことを理念として掲げています。
地域のすべての野良猫に処置を行い、苦痛を与えないようにすぐに元の場所へ。そしてエサを与えながら、その後の経過もしっかり確認しているんです。
飼い猫はカットされないの?
TNR活動は野良猫・地域猫のための活動で、飼い猫は対象外となります。
しかし飼い猫の中には外で飼育される猫もいて、野良猫・地域猫と区別がつかないことも。特に避妊・去勢手術が行われていない猫ですと、野良猫と間違えられてしまう問題も発生しています。
飼い猫が野良猫・地域猫と間違えられないようにするには、
- 室内飼いを徹底すること。
- 首輪を付けて、飼い猫であることをアピールすること。
とりわけ猫の外飼いは、事故や病気をもらうなど、様々な危険があります。愛猫(あいびょう)のためには室内飼いすることが何より大事なことですね。
左右の耳のカットや形には意味があるの?
左右の違いは?

適切に処置をされた地域猫は、左右どちらかの耳上部をカットして目印としています。この目印によって、もう一度捕獲されてしまうことを防いでいるんです。
目印のカットですが、一般的にはオスは右耳でメスは左耳という決まりが。カット方法はV字型が一般的。また、先にも触れたように、切ったあとの耳の形が桜の花びらに似ていることから「さくらねこ」とも呼ばれています。
ちなみに地域によっては、耳上部を平らにカットしたり、ピアスをつけることも。また左右が統一されていなかった時期もあり、オスでも左耳がカットされていることもあります。
耳をカットする時、猫は痛くないの?
手術といっしょに
耳の一部をカットすると、猫が痛がって人間不信になるのではと心配になりませんか?
しかし耳をカットするタイミングは、避妊・去勢手術で麻酔をかけたあと。その上、猫の耳は薄く、血管や神経がそれほど通っていはいません。
獣医によって適切に処置されるため出血も少なく、痛みも人間ほど感じにくいので大丈夫なんですね。

耳カットは地域猫の印
【関連記事】
公園や神社などで見かける人懐っこい猫は、その地域で面倒をみてもらっている猫の場合があります。
猫の片耳が、怪我などではなくきれいにカットされていたら、それはお世話する人がいる目印に。耳がカットされていると痛そうに思えますが、これ以上不幸な猫を増やさない活動のためのもの。
また地域猫として、人と猫が共存できている証拠でもあるんですよ。
片耳の先がカットされた猫を見かけた時は、程よい距離でふれあってみませんか?
コメントを残す