昔から伝わることわざや四字熟語には、私達にとって役立つ情報がたくさん詰まっています。とりわけ困った時や悩みがある時には、こうした言葉を調べてみるのも良いかもしれませんね。
実はそんな困った・悩んでる・・といった状況にピッタリの四字熟語として、「温故知新」という言葉があります。
聞いたことがある方も多いと思いますが、「温故知新」にはどのような意味があるのでしょう?また実際の使い方もぜひ知っておきたいところですね。
そんな「温故知新」の言葉の意味や使い方、そして似ている類義語についても紹介していきます。
温故知新の意味や由来は?
温故知新の意味は?
温故知新は、「おんこちしん」と読む四字熟語で、意味を分かりやすく言うと次のようになります。
(ふるきを たずねて あたらしき を しる)
ここでの
「故き(ふるき)」は、古い物事という意味
「温ねて(たずねて)」は「おさらいする」という意味
があります。
「新しきを知る」はそのまま、「新しいことを知る」という意味ですね。
これらの言葉を合わせて、
…という意味になるんですね。
温故知新の由来は?
温故知新という言葉は、古代中国の思想家・哲学者である「孔子」にあります。
孔子は「儒教」という物事の考え方を生み出した人で有名ですよね。その孔子の言葉は多くの人に知られていて、特に弟子とのやり取りは、「論語」という書物にまとめられています。
その「論語」の「為政(いせい)第二-11」という中に、
と書かれている文があります。
「温故知新」が文中に登場しますが、この文を書き下し文にすると、
…という文章に。
更にこの文章を現代語にすると、
…となります。
「論語」に孔子の言葉として書かれているこの文には、物事を教える人となる資格について語られているんですね。
温故知新の使い方
一度立ち返ってみる時に
温故知新は、次のような使い方をします。
- 研究では温故知新ということで、時々基礎を見直すことも大切だ。
- 温故知新という言葉もあるように、古い情報の中にも新しい発見があるかもしれない。
現代社会では古い情報は役に立たず、新しい情報こそが大切という考え方になりがち。しかし過去の情報をもう一度確認することで、意外なヒントが手に入ることも。
見逃していたことや知りたかったことが見つかることもあるので、大切だと言っているんです。
座右の銘として使いたい
温故知新という四字熟語は、座右の銘として使いたい言葉の一つでもあります。
- 過去の出来事や歴史に触れ、そこから現在につながる新しい何かを見つける。
- 先人の教えを聞き、そこから自分のためになるものを見つけ出す。
温故知新はこのような意味にもなるため、特に目上の方の印象が良くなるかもしれませんよ。
ここで覚えておきたいのは、過去の出来事や歴史などに触れたままで終わらないこと。そこから自分で新しい何かを見つける事こそ、温故知新なんですね。
温故知新の類義語には何がある?
温故知新に似た意味を持つ四字熟語もいくつかあります。ここでは4つ紹介しますね。
覧古考新
覧古考新(らんここうしん)には、「古い事柄を振り返り、そこから新しい問題を考える」という意味があります。
温故知新と同じような意味となるため、より深みのある言葉を座右の銘としたい時に使いたいですね。
彰往察来
彰往察来(しょうおうさつらい)には、「昔の出来事を明らかにして、これから先のことを予測する」という意味があります。
ちなみに水戸黄門で知られる「水戸光圀」の命によって編纂された書物に、「大日本史」というものがありますが、この書物をまとめる部署の名前が「彰考館」です。
この彰考館は、四字熟語の「彰往察来」から取られたものなんですね。
承前啓後
承前啓後(しょうぜんけいご)には、「昔からの物事を受け継ぎ、未来を切り開く」という意味があります。
代々受け継がれたものを引き受け、ここからさらに良くしたいときなどに使うとぴったりですね。
継往開来
承前啓後とほぼ同じ意味ですが、「継往開来(けいおうかいらい)」という四字熟語もあります。
意味は「先人から事業を引き受け、これを発展させながら未来を切り開く」となります。
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古い物事から新しい何かを見つける
温故知新はよく聞く四字熟語ですが、その意味をとなると意外と知らない言葉かもしれません。
その意味は、「古い物事から新しい何かを見つける」というもの。昔のこと・古い情報であっても、そこから新しい何かを見つけられるかも知れないとしているんですよ。
行き詰まったときや困ったことがあった時は、基礎を見直すと意外な発見があるかも。座右の銘にも使える四字熟語ですので、温故知新の意味を理解して人生に活用したいですね!
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