ビジネスシーンでは多くの横文字が使われ、その意味を理解しないと話が通じないことがあります。その場で意味を調べることができればよいのですが、なかなかそうはいきませんよね。
そんなビジネス用語の一つに、「シュリンク」という言葉があります。
あまり使い慣れない言葉かもしれませんが、シュリンクは、ビジネスシーンによって意味が微妙に変化する言葉。そのため使い方も気になるところですね。
そんな、シュリンクの意味や正しい使い方について例文を交えて紹介します。
シュリンクの意味は?ビジネスシーンでは?
シュリンクの意味
シュリンクとは英語で「shrink」と書き、次の意味があります。
- (布などが)縮む
- (体などが)縮まる
- (貯蓄などが)減る
- 縮小
- 収縮
- 尻ごみする
- ひるむ
動詞または名詞として使われますが、基本的には「縮んだり、減ったり」といった意味に使われる言葉。洗濯物といった目に見えるものが縮んだり、数字の変動などの目には見えづらい事柄に対しても使われます。
ビジネスシーンにおけるシュリンク
ビジネスにおける「シュリンク」ですが、業界や対象によって多少意味が変わってきます。
販売業では
販売業で「シュリンク」という言葉が出た場合、
- シュリンクフィルム
- シュリンク袋
- シュリンク包装
を指すことが。
シュリンクフィルムとは熱を当てると縮むビニール袋のことで、商品をパッケージするのに使われます。
本屋で漫画を立ち読みしようとしたら、ビニール袋で包まれてて読めなかった経験がありませんか?あの袋が、シュリンクフィルムなんです。
コンピュータ・IT業界では
コンピュータ・IT関係で「シュリンク」といった場合、2つの意味が考えられます。
- データの圧縮、または圧縮する技術
- コンピュータ部品や基盤に使われる半導体の小型軽量化
前者はコンピュータのデータを圧縮してファイルサイズを小さくすること、後者はコンピュータハードウェアで使用する半導体などのサイズを小さくし、コスト削減をする際に使われます。
ビジネス全般で言うと
ビジネス全般では、
- 市場(あるいは業界)が縮小または減少する
…という意味で使われます。
いずれの場合も「縮まる・減少する」という意味で使われるので、文章の前後をしっかり確認するようにしましょう。
シュリンクの正しい使い方
ビジネスでの使い方
ビジネスシーンでのシュリンクは、次のように使うと効果的です。
- スマートフォンが普及した結果、携帯・PHS市場はシュリンクしてしまった。
- 業界全体のシュリンクが進行している今、打開策を見出さなければ会社が危ない。
- 日本経済全体が、シュリンクしているという考え方もある。
あるジャンルの市場規模が縮小した、縮小しつつある時に「シュリンク」は使われます。
また停滞している、衰退している時なども「シュリンク」という表現が。その後の状況によっては回復することもありますし、消滅してしまうこともあります。
あくまでも減少・縮小している状態が「シュリンク」なので、その後の対策を考える必要があるということですね。
シュリンク業界
また上記の使い方の応用として、「シュリンク業界」という言い方もあります。
これはある特定の業種・市場が縮小化しつつある状態、またはすでに縮小している事を指す言葉です。
例えば、上記の例で使用した、PHSや携帯(フィーチャーフォン・ガラパゴス携帯)はかつて大きな市場でした。しかしスマートフォンの普及により、その市場はスマートフォンに移行することに。
現在はかつてほどの規模でなくなり、その規模に戻るとも考えづらい状況となっています。
このように特定企業だけでなく、業界全体が衰退・縮小している時にも「シュリンク業界」と表現されます。
もうひとつのシュリンク
一方でシュリンクは、次のような使い方をすることがあります。
- あのパッケージをもう少しシュリンクしてほしい。
- 設計を見直したことで、部品のシュリンクに成功した。
- シュリンクによってデータの転送率が上がり、結果として電力消費量が5%軽減できた。
こちらはIT関連での部品の小型化を意味し、そこから生産現場からシュリンクという言葉で注文が入ることが。
またデータ圧縮の意味で使われる場合ですと、効率が上がるなどプラスの意味で使われる事があります。
技術職や生産ラインの方との会話のときは、意味を理解して使い分けたいですね。
意味を理解して使おう
シュリンクには「縮まる」「減少する」という意味があり、英語では洗濯物などが縮んだときなどに使われます。
そこから転じてビジネスシーンでは、「市場や業界などが衰退・減少していること」を表します。マイナスの意味として使うことも多く、そこからどうするかを考えることで新たな展開が。
また一方で「部品やデータを圧縮・小型化する」という意味もあるため、どちらの意味なのかを確認したいですね。
ビジネスシーンで「シュリンク」という言葉が出たときは、その後どうするかをしっかり考えて活用しましょう!
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