火星

座のことはよくわからなくても、満点の星空を観ると美しく感じられますよね。またニュースなどで「流星群」や「皆既日食」と言われると、つい夜空を見上げてしまうのではないでしょうか。

そんなワクワクする夜空のイベントの一つが、「火星の大接近」

火星が地球に接近したら、いつも以上にどのようによく見えるのか、またそれがいつなのか気になりませんか?

そこで、

  • 火星とはどんな惑星か
  • 火星が地球に接近するのはいつ?
  • 2020年の火星大接近はいつ?
  • 火星大接近の観察に適した期間と方角は?

について紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!

火星とはどんな惑星?

地球のお隣の惑星

私達が暮らす地球という惑星は、太陽を中心として約365日周期で周回(公転)しています。他にも太陽を中心として公転する惑星があり、これらをまとめて「太陽系」と読んでいます。

ちなみに、惑星とは自ら光を放つ「恒星」と呼ばれる星の周りを回る星のこと。太陽系では太陽が恒星で、地球を含めたいくつかの星が惑星となります。

ご存知の通り、「火星」も太陽系に属する惑星の一つ。約687日周期で太陽の周りを公転しています。

火星は太陽から数えて4番目にあたる惑星ですが、3番目の惑星である地球から見てお隣の惑星にあたります。天候などの条件にもよりますが、夜空を見上げたときに肉眼で見ることが可能なんですね。

赤い惑星

赤い火星

火星の地表には酸化鉄が多く含まれるため、赤く見える特徴があります。そのため名前にも赤いイメージのある、「火」と言う漢字が当てられました。

また英名の「マーズ(Mars)」は、ギリシャ・ローマの戦争の神「アーレス(マルス)」の名前から。こちらも闘争心や戦争のイメージが、赤い星と重なったからなんですよ。

重力や大気や気温は

火星の直径は地球の約1/2ですが、質量は地球の1/10ほど。そのため重力も地球に比べると約1/3ほどで、歩こうとすると飛び跳ねるような状態になると予想されています。

また火星の自転は24時間37分と地球とほぼ同じで、また回転軸が傾いてるため季節も存在します

ただし火星の表面には水(海)がなく、大気もほどんど二酸化炭素で酸素が極端に少ないです。さらに平均気温はかなり低く、摂氏 -55度

多くの課題をクリアしないと、火星に住むのは難しそうですね。

火星が地球に接近するのはいつ?

周期は2年2ヶ月ごと

少し欠けた火星

火星は太陽の周りを約687日周期で公転していますが、その軌道はやや楕円形。そのため地球からの距離が一定ではなく、少し離れる時期と近づく時期があります。

その周期は780日(約2年2ヶ月)ごと、火星と地球の距離が近づいた状態のことを「火星の最接近」と呼んでいます。

前回の火星の最接近は2018年7月31日で、その距離は5759万km。火星と地球が最も離れている時は約4億kmもあるので、それに比べると本当に近づいていると感じられますね。

□月、土星、火星 接近 20倍速

*中央に見えるのが火星で左に見えるのが土星。途中、月の間からてんびん座α星という星が現れます。

条件が重なれば更に大きく

地球と火星は常に並んで公転しているわけではありません。そのため2年2ヶ月ごとに距離が近づいても、その時の距離にはばらつきがあります。

しかし公転の関係で、特にその距離が大きく近づくときが。この状態を「火星の大接近」と呼び、いつも以上に火星が明るく輝くんですよ!

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2020年の火星最接近はいつ?

2020年の火星の最接近は・・

夜空

2020年は前回(2018年)の大接近のときほど距離が近くないため、2020年は「火星の準大接近」と呼ばれることもあります。その日にちは2020年10月6日(火)です。距離にして6207万kmまで近づきます。

この時の火星の明るさは一等星以上で、ランクとしては -2.6等級。視直径も約22.6秒角。周囲の星よりも明らかに明るく見やすくなり、しかも赤く輝くので夜空に不慣れな人でも見つけやすいんです。

□2年2か月ごとに起こる地球と火星の最接近

*2014年、2016年、2018年にかけてどのように火星の接近距離が変わっていくのかがシミュレーションされていて面白いですよ!

火星大接近の観察に適した期間と方角は?

大接近は1日だけじゃない

火星が大接近する10月6日が悪天候となった場合、もう見られないのでしょうか。

確かに最も火星が接近する日は2020年10月6日ですが、接近しだすのは8月下旬から。また10月中は明るさもマイナス2等級ぐらいとなります。

そのため、10月6日が悪天候であっても大丈夫。8月下旬から11月中旬頃までは観察に適している時期と言えますね。

火星が見える方角は?

hougaku
※国立天文台 天文情報センターより参照

10月中はおおむね南東の方角に見えます。

10月6日に最接近し、10月14日に「衝」(地球を挟んで太陽の反対側に惑星が来る位置)となるのでこの時期は特に観察の絶好機といえますね。

夏の暑さも落ち着いたころ、友人・知人と集まって外で涼みながらを星を眺めるのも素敵。虫さされに注意しながら、みんなで火星を探すのも楽しいですよ!

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貴重な夜空を楽しもう

空に浮かぶものと言えば星と月ですが、実は火星や金星も肉眼で見ることが可能です。しかも火星は他の星と違って赤いため、場所さえわかれば見つけやすいんですね

そんな火星が近づく「火星大接近」は、他の星よりも更に輝く貴重な現象。10月の夜空をゆっくり観察すれば、赤く輝く星がきっと見つかります。

家族や友人・恋人と一緒に、涼みながら「火星大接近」を楽しみませんか?