ハーブには香りを楽しむ他に、調理に使うと様々な効能が期待できるものがあります。また肉や野菜の臭み消しとして使うものや、風味付けに役立つハーブも。
そんなハーブに「ローレル」と「ローリエ」があるのですが、これらの違いはどこにあるのでしょう?名称が似ているので代用できれば便利ですが、その点は大丈夫なのかも気になりますね。
そこで、
- ローレルとローリエの違い
- ローレル(ローリエ)の効果
- 月桂樹やベイリーフとの違いは?
について順に紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
ローレルとローリエの違いとは

ローレルとは
ローレルは英語で「laurel」と綴る、月桂樹の葉を使った香辛料のこと。古代より香辛料としてヨーロッパを中心に使われていて、甘くスッキリした清涼感な香りが特徴です。
生の状態で使うと、スッキリした香りと少々の苦味が料理にプラス。乾燥させた状態で使うと、青みがかった香りが抜けてよりスッキリした香りが楽しめます。
ローリエとは
ローレルはフランス語で「laurier」と綴る、月桂樹の葉を使った香辛料のこと。
これを聞いて、「もしかしたら同じもの?」と思った方もいるかもしれません。それは正解で、ローレルとローリエは実は同じものなんですよ。
ローリエ・ローレルの語源となったのは、ラテン語で「褒め称える」と言う意味がある「Laudis」という単語。これが月桂樹の葉を使う国々で、それぞれの発音で広まっていきました。
ローレルとローリエの違いは?
ローレルとローリエは、呼び方が違うだけで、実は同じ香辛料です。
ただし、香辛料メーカーによっては、「ローレル」で販売するところと「ローリエ」で販売するところが。名前は違ってもどちらも同じものなので、ローレルと指定された時にローリエを使っても大丈夫なんですよ!
ローレル(ローリエ)の効果は

シオネールが臭み消しに
ローレル(ローリエ)は肉や魚の煮込み料理の際によく使われます。これはシオネールと言う香り成分が、肉・魚などの臭み消しに効果があるから。
特に乾燥させた葉を使うと、煮汁などにローレルの成分が溶け出してより強い効果が。爽やかな香りもつけられるため、食欲増進効果も期待できるんです。
食欲増進効果が
ローレルは香りによる食欲増進効果も期待できますが、実は胃腸の消化を整える効果も。そのため食欲不振のときにローレルを使った料理を食べることで、胃腸を元気にする効果が期待できます。
食欲増進効果を期待したいなら、パウダー状のローリエを肉・魚にまぶして焼くと効果的ですよ!
鎮痛効果が
ローレルに含まれる成分には、消炎効果と鎮痛効果があると言われています。そのため関節痛や神経痛・生理痛に対して、穏やかな鎮痛効果が。
ただし、強い鎮痛効果があるわけではないので、本当に痛い時は必ず医師の診断を受けましょう!
ちなみに月桂樹やベイリーフとの違いは?
月桂樹とは
ローリエ・ローレルは、月桂樹の葉を用いた香辛料ですが、この「月桂樹」とは、どういうものなのでしょうか。
「月桂樹」はクスノキ科の常緑樹で、地中海沿岸部が原産。ギリシャ神話などにも登場するほど古くから馴染みがあり、また神聖なる樹木として大事にされてきました。
また古代ギリシャでは月桂樹の若枝で作った冠「月桂冠」を、スポーツなどの勝者に与えていました。これは芸術の神アポロンの木の象徴であり、月桂冠はアポロンからの祝福でもあったんです。
ちなみにオリンピックで勝者に与えられるのは、月桂冠ではなくオリーブの冠。月桂冠は一枚一枚の葉が大きく、オリーブ冠は細長い葉をしているのでチェックしてみると面白いですよ!

ベイリーフとは
料理の本を見ていると、ローレルではなくベイリーフを使うよう指定されている場合があります。
ベイリーフとは英語で「bay leaf」とつづり、これもまた月桂樹を指す言葉。そのためローリエ・ローレルと同じく、月桂樹の葉を使った香辛料を指す言葉だとする場合もあります。
しかし、香辛料に関して言えば、本来ベイリーフはローリエ・ローレルとは違う香辛料。
香辛料としての「ベイリーフ」は、カシアと呼ばれるシナモンの葉を乾燥させたものです。「インディアンベイリーフ」と呼ぶこともあり、シナモンの香りが特徴。
そのためベイリーフを、ローレルの代用として使うことはできないので注意が必要です。
イクゾー╰( ‘ω’)╯ベイリーフ、カシア pic.twitter.com/t1zn8z8mQR
— ふるふる🍵 (@furukawa4344) 2017年7月30日
*葉脈が縦なのがベイリーフ(月桂樹は葉脈が横)。インド料理では良く使われますね。
爽やかな香りで、美味しい料理をさらに美味しく!
ローレルとローリエは、発音が違うだけでどちらも同じ香辛料。メーカーによってもそれぞれの名称で販売していますが、同じものなので代用は可能です。
爽やかな香りが肉や魚の臭み消しとなり、食欲増進効果が期待できるローリエ・ローレル。ただし似たものとされているベイリーフは、香辛料としては別のものとなるので注意が必要です。
料理のアクセントにローレル・ローリエを活用して、美味しい料理をさらに美味しくしませんか?
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