同じ音でも漢字が違う言葉が出てくると、どれを使えばいいのか悩みますよね。そんな、同じ音なのに漢字が違う言葉に、「分かる」「判る」「解る」があります。
それぞれ音だけでなく意味も似ている漢字ですので、使い分けに困るもの。
そこで、「分かる」と「判る」と「解る」、それぞれの意味と違い、そして使い分け方について紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
分かる・判る・解るの意味や違い
「分かる」とは?
「分かる」には、次の意味があります。
- 物事の意味が理解出来る。
- 世間の物事に詳しい。
- はっきりしなかった物事や事情が明らかになる。
- 相手の心情や事情を理解し、同情すること。
実は「分かる」は、「分ける」と同じ起原を持つ言葉。ぼんやりとした物事や気持ちを、わかる部分とわからない部分に分割。
こうすることで物事の本質が見え、理解出来るようになるんですよ。
ちなみに「分」という漢字には多くの意味がありますが、「わかる」に関する意味は次のものとなります。
- 全体をいくつかにわけ、別々にする。
- 全体から別れた一部分。
- 物事の状態。
- 見分ける、わかる。
物事を分割するから「わかる」ようになり、見分けることが出来るんですね。
「判る」とは?
次に、「判る」には次の意味があります。
- 物事の状態が判別出来る。はっきりする。
- 物事の判断がつき、結論を導けること。
分かると意味が似ていますが、こちらでは人の気持ちに対する意味を持ちません。また物事に詳しいかどうかも関係なく、不明だった物事がはっきりした場合に使われます。
ちなみに「判」という漢字には、次の意味が。
- 物事にけじめをつける。
- 優劣や是非をつける。
- はっきりさせる。
物事に対して、「良いものなのか悪いものなのか」などをはっきりさせる。あいまいにすることなく、全てを明らかにする意味が「判」にはあるんですよ。
「解る」とは?
「解る」には、次の意味があります。
- 物事の仕組みなどが明確になる。理解する。
- 物事の価値を理解出来るようになること。
- 人の心が解明できる、理解できる。
ここで登場する「理解」とは、次の意味を持つ言葉。
- 物事の意味や道理を正しくわかること。
- 他人の気持ちをわかり、察すること。
分かると基本的には同じですが、より物事や人の気持ちを理解して説明出来る場合は「解る」を使用します。
「判る」と違って人の気持ちに対しても使用できるのが、「解る」なんですよ。
ちなみに「解」という漢字には、次の意味が。
- 部分にわけ、バラバラにする。
- わかるようにする。
- 問題を解いた結果。
特に「問題を解いた結果」が、「解る」につながる部分。より深くより細やかに、物事や人の気持ちを理解することが「解る」へつながります。
分かる・判る・解るの最大の違いは常用漢字かどうか
分かる・判る・解るの最大の違いは、「常用漢字」であるかどうかです。
常用漢字とは、公用文書や新聞・放送などの社会一般において使用される漢字のこと。漢字2136字が該当し、義務教育で習う漢字も常用漢字となります。
分かる・判る・解るの中で、常用漢字なのは「分かる」のみ。そのため、役所で出す文章や新聞では、「わかる」は全て「分かる」で統一されています。
分かる・判る・解るの使い分け方
「分かる」を使う場合
分かるは常用漢字で、判るの意味も解るの意味も含まれる漢字。そのため迷ったときは、「分かる」を使用すれば間違いありません。
また市役所などの公的機関や、新聞・雑誌などに投稿する場合は「分かる」を使うほうがより適切です。
もし「分かる」という漢字を使いたくないなら、文章の内容に合わせて「理解」「判断」などに変更しましょう。
「判る」を使う場合
判るには、物事をはっきりさせる意味があります。
そのため、
- プリンを食べた犯人が判った。
- 最近になってゴッホ作だと判明した。
- 違いが判る男というCMが昔あったね。
のように、不明だった「なにか」が判明した時に使うのが最適です。
「解る」を使う場合
解るを使う場合、物事や人の気持ちをよりはっきりと理解した時に使います。
基本的には、「分かる」と同じように使用して大丈夫。特に下記のような、答えがあるものや理解することが必要な物事に対して使うとぴったりなんですよ。
- あの問題の解き方がやっと解った。
- 人の気持ちが解らないと、そのうち孤立するよ。
- センター試験のうち、あの問題だけが解らなかった。
使い分け方が「わかれ」ば楽勝!
分かる・判る・解るという漢字は、同じような意味があるため迷いやすい漢字です。その中でも「分かる」は常用漢字で意味も幅広いので、迷ったときは「分かる」を使うといいですね。。
また、
- 白黒はっきりしたときや、不明な何かが判明したときは、「判る」
- 試験問題がわかった時や人の心に触れる場合は、「解る」
を使用します。
分かる・判る・解る、それぞれの違いを「解った」上で、誰でも「分かる」ように使い分けたいですね!
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