鐘

大晦日と言えば「除夜の鐘」ですね。除夜の鐘が鳴り始めると、いよいよ今年も終わりだと言う実感が湧いて来るような気がします。

ところで、どうして「除夜」の鐘って言うんでしょう?

除夜の鐘の「除夜」について、108つ鐘をつく意味、鐘をつくタイミングや作法など、除夜の鐘について紹介していきます。

除夜とは?

「除夜」とは「大晦日の夜」のことです。

「徐」には、「古いものを捨て、新しいものに移る」と言う意味があります。1年の最後の日である大晦日は、「古い年を去り、新年を迎える日」なので「除日(じょじつ)」と呼ばれます。

「除夜」とは、「除日(じょじつ)の夜」、つまり大晦日の夜と言うことになるんですね。

108つ鐘をつく意味は?

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除夜の鐘をつくのが108つである理由については、複数の説があり

  • 人間の煩悩の数を指す
  • 一年間をあらわす
  • 四苦八苦をあらわす

などがあります。

中でももっとも有名なのは、

  • 「人には百八つの煩悩があるので、その煩悩を払うため108回鐘をつく」

と言う「煩悩説」ではないでしょうか。

人間の煩悩の数

では、人間の煩悩はなぜ百八つなのでしょうか?

人間の欲望はすべて、6つの感覚器官(六根)からもたらされます。

「眼、耳、鼻、舌、身、意」 の6つです。

6つの感覚器官が感じ取る状態には、それぞれ

  • 「好・悪・平」
  • 「浄・染」

があります。

それで、「6×3×2」で36個です。

さらに、「前世・今世・来世」の3つの時間軸をかけて、108個となると言うわけです。

ちょっと難しいですね。

六根
(感覚器官)
状態1状態2時間軸
眼 (げん)好 (こう)
気持ちが良い
浄 (じょう)
きれい
前世
耳 (に)
鼻 (び)悪 (あく)
気持ちが悪い
今世
舌 (ぜつ)染 (せん)
きたない
身 (しん)平 (へい)
どうでもよい
来世
意 (い)
×3×2×3

1年間をあらわすと言う説

月の数(12)+二十四節気(24)+七十二候(72)=108

二十四節気(にじゅうしせっき)は、太陽が移動する天球上の道「黄道」を24等分して名前を付けたもの。「冬至」「夏至」「春分」「秋分」などは、今も使われていますね。

二十四節気をさらに3つに分け、時候を表したものが「七十二候(しちじゅうにこう)」です。

四苦八苦をあらわす

「四苦八苦を取り除くため百八つ鐘をつく」と言う説です。

四苦八苦:4×9+8×9=108

これは、わかりやすいですね。

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鐘をつくタイミングや作法のこと

除夜の鐘は、大晦日につくものなので、何となく年内に全部ついてしまっている感じがしますよね。

実は、除夜の鐘は、107回までを大晦日のうちにつき、年が明けてから最後の1回をついているんです。

これは、新しい年が煩悩に煩わされないようにと言う願いを込めて、最後の1回を新年につくためと言われます。

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ただし、例外もあります。

静岡県富士宮市の大石寺では、年明けと同時に1つ目の鐘がつかれます。

また、除夜の鐘は百八つのところがほとんどですが、中には「捨て鐘」と言って二つ余分につくところもあるそうですよ。

鐘をつく作法

除夜の鐘をつく前には、鐘に向かって合掌します。それから、煩悩を払う気持ちを込めて、鐘をつきましょう。

【関連記事】

伝統行事には意味がある

ちょっと面白い動画があります。

「日本一危険な除夜の鐘」です。すごいところにありますね。それだけ危険な場所にあるのでご利益が大きそうですね。

除夜の鐘は「百八つの煩悩を払うためにつく」と思っていましたが、他にも説があるとは知りませんでした。

また、日本の伝統行事は、中国の伝統や暦などが関係することが多く、由来や意味など調べて行くと、楽しい反面、なかなか難しいですね。

ライフスタイルの変化とともに、年末・年始の過ごし方も変わって来ていますが、良いものは残しつつ、ときには意味など考えてみるのもいいものですね。

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