冬に咲く花は数が少なく、どうしても彩りを欠いた印象となってしまいます。だからこそ早春に咲かせる花は愛らしく、より一層美しく感じるのかも知れませんね。
そんな早春に咲く花に、福寿草があります。
素敵な名前の福寿草ですが、花言葉やどんな花なのかを知りたくありませんか?
そこで、福寿草の花言葉や、名前の由来・開花時期などを紹介するので、ぜひ覚えてくださいね!
福寿草の花言葉とは
幸せと福を招く
福寿草は名前に「福」「寿」と、ご利益のありそうな漢字が使われています。
そのため花言葉にも、
- 幸せを招く
- 幸福
- 永久の幸福
- 祝福
- 希望
と言った、とても幸せな意味があるんですよ。
アドニスの悲しみ
一方で福寿草には、少し悲しい花言葉も存在します。
- 回想
- 思い出
- 悲しき思い出
特に「悲しき思い出」に関しては、ギリシャ神話の逸話が元になっています。
美しい若者であるアドニスは、美の女神・アフロディーテの寵愛をうけていました。
ある時アフロディーテは、アドニスが狩りで死ぬという運命を見てしまいます。
アドニスを失いたくないアフロディーテは、「決して狩りに行ってはいけない」と忠告。しかしアドニスは狩りで出かけ、猛獣に襲われて死んでしまいました。
アドニスが倒れた現場へ駆けつけると、そこにはアドニスが流した血から赤い花が。それを見たアフロディーテは、この花を「アドニス」と名付けて愛しました。
ここから福寿草の学名は、「Adonis ramosa」と名付けられました。
ところが神話に登場する「アドニスの花」は、福寿草ではなく「アネモネ」だという説も。
確かに福寿草は黄色い花のイメージがあり、違うのではと思う人もいるかも知れません。しかし福寿草には赤い花を咲かせる品種もあるため、間違いではないんですよ!
福寿草とはどんな花?
春に咲く花
福寿草はキンポウケ属の多年草で、原産地はシベリア。北海道から九州まで広く分布し、2月から4月にかけて黄色い花を咲かせます。
この時、花は太陽光を浴びて発熱し、虫を引き寄せて花粉を運ばせる面白い特徴も。また開花後は葉が成長しますが、夏頃には葉も枯れて根だけになります。
そのため葉も含めた福寿草を見ることが出来るのは、早春から初夏にかけてだけなんですね。
お正月の花
福寿草には、
- 元日草(がんじつそう)
- 朔日草(ついたちそう)
という別名があります。
また江戸時代には正月頃に開花時期を迎える、縁起の良い花とされてきました。
そのため、盛んに正月飾りに使われ、品種改良もされたんですね。
現代でも正月のお飾りとして福寿草が飾られますが、先に触れたように開花時期は2月~4月頃。正月に咲くというのは旧暦にした時の話で、現代の暦でみると正月には開花しません。
そのため現在の正月に出回るものは、ハウス栽培で開花時期を早めたものとなります。
薬にも、毒にも
漢方では福寿草の根に、利尿作用や強心作用があるとして利用されています。
しかし素人判断で根を煎じると、薬どころか毒になることもあります。
実は福寿草の茎・葉・根には、嘔吐や呼吸困難・心臓麻痺を引き起こす毒が。春先に出る芽がフキノトウに似ていることから、山菜と間違えて食べてしまう事故も発生しています。
またお正月に鉢植えを飾る際に、子供が誤って口にする可能性も。
山菜採りの際には必ず確認し、家で飾る時も子供の手の届かない場所に置くようにしましょう
春を呼び込む幸せの花
雪解けとともに顔を出す福寿草は、春を呼ぶ使者のような花です。
かつては正月頃に咲く花とされ、お正月飾りにも活用されることも。幸運を招く名前と花言葉は、お年始のお土産やプレゼントにもピッタリ!
ただし葉などには毒もあるので、触ったあとはしっかり手を洗うようにしたいですね。
幸せを運んでくれる福寿草で、いち早く春を感じてみませんか?
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