赤ちゃんが生まれると、成長に合わせて様々な行事が行われます。
一度しか行われない行事も多く、その準備に慌てることも。そんな行事の一つに、初正月があることをご存知ですか?
実はお正月に欠かせない羽子板も、初正月が関係しているんです!
そこで、
・初正月とは
・初正月で飾る、破魔弓・破魔矢の意味
・初正月で飾る、羽子板の意味
・いつまで飾るのか
について順に紹介するので、新米パパさん・ママさんはぜひ覚えてくださいね!
初正月とは?
初めて年を重ねるお祝い
初正月とはその名の通り、「赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月」のこと。初めて年を取るお祝いとして、健やかな成長を願うんですよ。
ここで「初めて年を取るのは誕生日では?」と、疑問に思う方もいるかもしれません。
そう思うのも、現在では誕生日に歳をとる「満年齢」という数え方が一般的になったからです。
しかし以前は誕生日がいつであろうと、1月1日に年を重ねる「数え年」が一般的でした。そのため赤ちゃんが初めて迎えるお正月は、初めて年を取る日でもあります。
しかも昔は医療技術の関係もあり、今より赤ちゃんが成長するのが難しい時代。無事年を取る日まで生きていたということで、初正月は盛大に行われていました。
ちなみに初正月は、原則として12月10日までに産まれた赤ちゃんが対象。それ以降に産まれた赤ちゃんは、翌年に行なって大丈夫なんですよ!
魔除けのお飾りを
初正月では赤ちゃんの性別に合わせ、破魔矢・破魔弓または羽子板を準備します。
初正月を迎える子が、
- 男の子の場合は・・・破魔弓と破魔矢
- 女の子の場合は・・・羽子板
を12月中旬頃の大安の日に飾ります。
もし床の間がなければ、赤ちゃんの寝室に飾るのが最適。あるいは日中に赤ちゃんが過ごすことの多い、居間の高い所に設置しても良いですね。
12月中旬までに準備出来なかった場合でも、遅くとも12月28日までには飾り終えましょう。
というのも29日は「9」の数字が「く」と読めるため、「苦」に繋がって縁起が悪い日。また、30日・31日は月末の扱いとなり、すぐ正月となる「一夜飾り」で縁起が良くないとされるからです。
破魔矢・破魔弓・羽子板以外では、地域によっては凧をあげることも。その家ならではのしきたりもあるので、早めにご両親などに確認すると安心ですね。
初正月で飾る、破魔弓と破魔矢の意味は?
破魔弓と破魔矢とは
破魔弓・破魔矢は、初正月を迎える男の子のために用意されるもの。どちらか一つだけではなく、セットになったものを飾ります。
元々弓矢には、魔物を退ける効果があると言われていました。例えば、弓を引いた時になる音には、魔除けの効果が。
この事から昔は宮中で男の子が生まれると、弓をはじく行事が行われていました。
またお正月に矢を射る行事も行われており、この際の的が「ハマ」というもの。これのハマに「破魔」の字を当てたことから転じて、破魔弓・破魔矢と呼ばれるようになったんですよ。
弓矢は武士が持つもので、武士は男の子がなるもの。そのため破魔弓・破魔矢は、男の子の初正月の象徴となりました。
初正月で飾る、羽子板の意味は?
羽子板とは
女の子の初正月では、豪華な羽子板を飾ります。
羽子板は羽のついた黒い玉を打ち合う遊びですが、実はこの玉に厄除けの意味があります。
黒い玉は「無患子(むくろじ)」という木を使うのですが、この文字から子供の病気よけという意味に。また羽つきの玉がトンボに似ていることから、トンボの主食である「蚊」を寄せ付けない効果もありました。
蚊は現代でも厄介者ですが、昔は病気を運ぶ存在として更に嫌われた存在。蚊よけは病避けにも繋がり、健康な女の子に育つよう願いが込められているんですよ。
□羽子板「招福羽子板 13号」の飾り方 【横手人形】
https://youtu.be/d1cKKhqP_i4
*初正月用の羽子板は、ケースに入っていることもあります。
いつまで飾るものなの?
片付けは小正月に
破魔弓・破魔矢と羽子板は、1月15日の小正月に片付けるのが最適です。
しめ縄などと合わせて1月7日に片付けても良いですが、広い意味でのお正月は1月15日まで。また桃の節句・端午の節句に再び飾る地域もあるので、その点を確認した上で片付けましょう。
飾るのは15歳まで
初正月の飾り物は、次の正月に再び飾っても問題ありません。
しかし子供のための飾り物なので、昔でいう元服を迎える頃が飾り終える時期。15歳をめどに飾るのをやめ、不要ならば人形供養を行う寺院・神社や人形店に相談しましょう。
健やかな成長を願って
赤ちゃんが生まれて初めてのお正月は、初正月としてお祝いをします。
その内容は破魔弓・破魔矢や羽子板を飾るだけと、意外とシンプル。親族・祖父母から贈られる事が多いため、自宅に招いてお正月を一緒に過ごすのも素敵ですね。
赤ちゃんに何事もなく、無事元気で育ってほしいと思うのが親心。健やかな成長と厄除けを願って、初正月を迎えませんか?
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