フワフワと降る雪はロマンチックですが、実際には雪ではなく「みぞれ」が降ることもよくあります。
また雪ではなく「あられ」が降ってきたり、「ひょう」が降って農作物に被害が出ることも。
特にひょうなどは冬だけとは限らず、他の季節にも降ることがあります。
ひょうも、あられも、みぞれもなんとなく似てはいますが、どんな違いがあるのでしょう?
そこで、ひょう・あられ・みぞれ、それぞれの特徴や違い、そして雪との違いについてもあわせてまとめてみました。
雹(ひょう)とは?
5ミリ以上の氷の粒
ひょうは、雪と同じく雲から降るもので、直径5ミリ以上の氷の粒のこと。特に積乱雲で発生しやすく、また雷を伴いやすい特徴があります。
ひょうが出来る仕組みは次の通りです。
- まず雲の水蒸気が凍ります
- 凍ってできた氷の粒が落下しようとします
- ところが、積乱雲の中では下から上へと強い風が吹きます
- 本来なら溶けながら地上に落ちるはずの氷の粒が、風の影響で雲の上部へ押し上げられます
- そして再び凍りついてしまいます
- 氷の粒が落下しようとして再び舞い上がります
- これを何度も繰り返します
- その結果、氷の粒は風に影響されないほど大きく成長します
- 最終的にその重さで固まった氷が地上に落ちて、ひょうとなります
春と秋に降りやすい
実はひょうは冬以外の季節に降りやすい傾向があります。
これは地表の気温と上空の気温さが大きい、春・夏・秋に積乱雲が発生しやすいから。ただし夏はひょうができても、途中で溶けて雨になることが一般的には多いですね(降ることもあります)。
一方で冬は積乱雲が発生しにくいので、ひょうが降りにくくなります。
ひょうが降るときは危険
もしもひょうが降る予報が出た場合、外出は控えたほうが安全です。
というのも、ひょうは大きいもので直径2~3センチにもなり、落下速度も時速数十キロを超えることがあるからです。
当たると大怪我をする恐れがありますので、もし外出中にひょうが降りだしたら、急いで屋内に避難しましょう。
□特大の雹で愛車が
https://youtu.be/e0ZSqxqj_Ts
*1分24秒頃に「ひょう」が出てきますが、これがもしも当たったらと思うと怖いですね。
霰(あられ)とは?
5ミリ未満の氷の粒
あられはひょうと同じく雲から降るもので、直径5ミリ未満の氷の粒のこと。
実はひょうとの違いは、「直径5ミリより大きいか小さいか」のみ。5ミリ以上になるとひょうになり、5ミリより小さいとあられの扱いとなります。
そのため発生する仕組みはひょうと同じ。ただし氷の粒が小さいため、冬にも降ります。
雪あられと氷あられ
あられは降った時の状態によって、
- 「雪あられ」
- 「氷あられ」
に区分されます。
雪あられは白く柔らかいあられのことで、雪と一緒に冬に見られるもの。
一方の氷あられは半透明でやや硬く、ひょうのように春や秋に降る傾向があります。
ちなみに天気予報では、
- 雪あられは「雪」の予報
- 氷あられは「雨」の予報
となります。
ただし観測データでは、どちらのあられが降っても「あられ」の扱いになります。
霙(みぞれ)とは?
雨交じりの雪
みぞれは雪と雨が混ざった状態、または雪が溶けかかった状態で降る事を指します。ひょうやあられとは違い、氷の粒は混ざりません。
また気象上の扱いは「雪」となるため、シーズン最初にみぞれが降ると、これが「初雪」の扱いに。
更に天気予報では「雪または雨」、あるいは「雨または雪」と伝えられることになります。
雪との違いは?
ポイントは「結晶」
ひょう・あられ・みぞれと、雪の違いですが、氷の結晶が存在するかどうかで見分けます。
雪は雲の中で氷の結晶が発生し、それが成長して地表へと降るもの。
みぞれは雪に雨が混ざったものなので、雨交じりでも氷の結晶が存在します。
一方のひょう・あられは氷の粒が成長して降るため、氷の結晶が存在しません。
ひょう・あられ・みぞれの違い、まとめ
最後に、ひょう・あられ・みぞれ、それぞれの特徴と違いを簡単にまとめました。
◆ひょう(雹)
- 直径5ミリ以上の氷の粒が地上に降ること
- 積乱雲の時に発生しやすく、雷を伴うことも
- 空気中の水が凍って氷の粒となって成長したものなので、氷の結晶は存在しない
- 冬よりも春・秋に発生しやすい。まれに夏に発生することもある
- 2センチ以上のものが降ることもあり、当たると非常に危険
◆あられ(霰)
- 直径5ミリ未満の氷の粒が地上に降ること
- ひょうとの違いは氷の粒の大きさだけで、発生する仕組みはひょうと同じ
- ひょうと同じく、氷の結晶は存在しない
- 雪混じりで白くもろい「雪あられ」と、半透明で硬い「氷あられ」の二種類がある
- 気象上は「雪あられ」は雪、「氷あられ」は雨の予報となる
- 雪あられは冬に降りやすく、氷あられは春・秋に降りやすい
◆みぞれ(霙)
- 雪に雨が混ざった状態、あるいは溶けかかった状態で降ること
- 雪が混ざるため、雪の特徴である氷の結晶が存在する
- 気象上は雪の扱いとなる
- 天気予報では「雪または雨」、あるいは「雨または雪」と伝えられる
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降る予報のときは注意して!
ひょう・あられ・みぞれは似ていますが、実はみぞれだけが雪の一種ということなんですね。
ひょうとあられは発生する仕組みは同じですが、粒の大きさが違う氷の粒のこと。一方でみぞれは雨交じりの雪のことで、ひょう・あられと違って氷の結晶をもちます。
この中でも、ひょうが降る時は、時として大きな被害が出ることも。天気予報で「ひょう」の予報が出たときには、特に注意して過ごすようにしましょう!
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