経済に関するコラムを見ていると、意味や読みがわからない言葉が登場することがあります。前後の文章から意味は読み取れても、正確な意味が分からなければ本当に理解したとは言えません。
そんな言葉の一つに「蓋然性」があるのですが、どのような意味があるのでしょうか。
また、似た言葉として「可能性」が挙げられることがあるのですが、違いもしっかり覚えたいですね。
そこで、
・蓋然性とは
・蓋然性の使い方
・蓋然性と可能性の違いについて
について紹介するので、しっかり覚えましょう!
蓋然性の意味とは
客観的な可能性を
蓋然性(がいぜんせい)とは、ある出来事や物事が起こるかどうかの度合いを表す言葉。簡単に言ってしまえば、可能性や確率とほぼ同じ意味で使われます。
特に物事が正確かどうかについて、不確実な考えを除き「こうなるのでは」という可能性を表現。そのため希望的観測はなるべく入れず、客観的に判断した時に蓋然性は使われます。
蓋然性の使い方
蓋然性は「高い」「低い」で表す
蓋然性の使い方ですが、度合いが高いか低いかを表す時に使います。
そのため「蓋然性」という言葉だけを使うのではなく、
「蓋然性が高い」
「蓋然性が低い」
といった使い方が一般的。
具体例を出すと、次のような使い方となります。
- クリスマスで需要が高まっているので、再入荷される蓋然性は高い。
- その提案によって改善される蓋然性は極めて低いため、残念ながら却下とする。
- 表と裏が出る蓋然性は同等であるため、コイントスで決めるのは公平だ。
それぞれきちんとした理由があり、それに対して蓋然性が高い・低いという形で使います。
蓋然性を使うときの注意点
蓋然性という言葉は、確率や可能性と言いかえることも可能です。
しかし、よりしっかりとした根拠があって、高確率・低確率で物事の行方が予想できる。そういった時に確率や可能性よりも「蓋然性」を使うと、より説得力が生まれます。
ただしビジネスシーンでは説得力が生まれても、日常生活ではわかりづらい部分もありますね。日常会話や広い年代の方が目にする文章の場合は、可能性や確率に置き換えたほうが無難かもしれませんね。
蓋然性と可能性の違いは?
可能性とは
先にも触れましたが、わかりやすさを優先するなら、蓋然性よりも可能性を使うほうが良い場面もあります。
しかし可能性には蓋然性とは違う、次のような意味があります
- 物事が成功する・実現するかどうかの見込み
- ある事柄に対し、潜在的な部分も含めた発展
ここで注目してほしいのが、
「潜在的な部分も含めた発展」
「見込み」
という部分。
蓋然性では客観的に物事を見定めた上で、物事が実現・成功するのかを表現。
一方で、可能性は「見込み」という、希望的観測も含めた表現をしたい場合に使われます。
可能性・蓋然性を使った例文を紹介
蓋然性は「高い」「低い」で表現されますが、可能性は「ある」「なし」で表現されます。
そのため、蓋然性と可能性は、同じ文章で使うことも可能なんですよ。
例1)
天気予報は100%当たるものではありませんが、雲が全くない状態が続けば雨は降らないですよね?
しかしそれでも雨が降る可能性は否定できないので、可能性は「ある」けれど、蓋然性は「低い」となります。
例2)
天才とも言える才能があれば、何もしなくてもレギュラーになれるかもしれません。
しかし普通に考えれば何もしない人よりも、努力して成績を残した人のほうがレギュラーとなる確率は高め。
そのため可能性もないだろうし、蓋然性も低いという表現となります。
蓋然性を高めていきたい
「蓋然性」という言葉を日常で使う可能性は低いかもしれません。ですが、ビジネスシーンにおいては使うことはありえる言葉。根拠もあって客観的な確率を表現したい時に、蓋然性を使うと効果的ですね。
しかし耳馴染みのない言葉ですし、乱用すると難しい言葉を使いたいだけとも取られることも。ビジネスシーンで上手に活用したいなら、それこそ蓋然性を高めるような使い方をしたいもの。
ここぞ!という時に「蓋然性」を使い、無限の「可能性」を広げましょう!
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