年末年始やお盆になると、故郷へ帰省する人も多いかと思います。その結果、高速道路が大渋滞、新幹線や飛行機が満席で・・・というニュースを耳にすることが多いですね。
そうした大混雑の帰省ラッシュも、季節の風物詩とも言えますが、そもそも「帰省」とはどういうものなのでしょうか。また似たような言葉の「帰郷」との違いも気になるところ。
そこで、帰省・帰郷の意味や違いについて紹介していきます。
帰省の意味とは
両親の安否を確認
帰省(きせい)の意味を知るに、まずは使われている漢字の意味から調べてみましょう。
「帰」という字には、次のような意味があります。
- 元の場所などに戻る
- もとに戻す
- 最終的に物事が落ち着く
一方の「省」で「せい」と読む場合、次のような意味があります。
- 振り返ってよく考える
- 安否を確認する(特に親などの)
- はぶく
これら二つの漢字を合わせた場合、「親のもとへ戻り、安否を確認する」という意味となります。
- 親元から離れている子供が、安否確認のために一時的に親元へ戻る
↓
- 確認ができたなら、再び親元を離れて自分の住まいへと戻る
この一連の行動が、帰省なんですよ。
顔をきちんと見たい
昔は電話もネットもなかったため、しっかりと親の顔を見なければ安否確認は難しいものでした。
しかし現代は電話やLINEなどで音声通話での確認もできますし、LINE・Skypeなどのビデオ通話を利用して顔を合わせる事も可能です。そのため現在では、帰省というと「数日間、親元に戻る」といった軽い意味となっています。
それでも1年に一度ぐらいは親元に戻りたいですし、実際に顔を合わせないとわからないこともありますよね。便利な世の中にはなっていますが、だからこそ長期休暇には帰省する人が多いのかもしれませんね。
帰郷と帰省の違いは?
ふるさとへ戻ろう
一方の帰郷の読み方は「ききょう」で、「ごう」と読まないので間違えないようにしましょう。
その「郷」ですが、もともとは集落の最小単位として使われていた言葉でした。奈良時代に家族50戸をひとまとめにし、長を置いた集落を「郷」と呼んでいたのが由来。現代でいえば、強い権限のある町内会と町内会長といった具合でしょうか。
そこから転じて、次のような意味が郷につくようになりました。
- 田舎
- 生まれた里
この「郷」に、「帰」という漢字が加わることで、帰郷には「生まれ故郷に帰る」という意味となりました。
帰郷は戻る場所を指定している
親の安否を確認するために戻る帰省と、生まれ故郷に戻る帰郷。どちらも戻ることには変わりないのですが、実は戻る場所が違うということに気づきましたか?
帰省は親の元に戻るのであって、場所は特に指定していません。
一方で帰郷の場合は、「生まれた里に戻る」と場所を指定しています。
そのため帰郷は、帰る場所に父母がいるかどうかは本来無関係。しかし父母が住む場所が生まれ故郷であることが多いため、結果的に親元に戻っているんですよ。
帰省は短期間、帰郷は長期的に戻る
帰省と帰郷の違いは、場所以外にも「時間」があります。
帰省は親の安否確認のために、一時的に戻るという意味。
帰郷にも一時的に戻る意味で使うこともありますが、長期的に戻るという意味としての使い方が一般的。
特に「ふるさとに戻ってそこに住む」という場合、帰省ではなく帰郷を使います。
意味を理解した上で帰省と帰郷を使い分けよう
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親元を長く離れていると、お盆や年末年始ぐらいはふるさとに帰らなければと思いますよね。
そんな時に使う「帰省」と「帰郷」ですが、その意味には大きな違いがあります。
- 親の安否のために、親元へ一時的に戻るのが帰省
- 故郷に長期的に戻る、あるいは定住目的で戻るのが帰郷
となります。
うっかり間違えると誤解を招くので、意味をしっかり理解して使い分けたいですね!
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