夏の行事と言えばお盆ですが、地域によって7月~8月とばらばらです。また地域独特の夏の行事もあり、引っ越してきて驚くことも。
特に関西の特定地域出身の方が驚くのは、他の地域では地蔵盆は行われていないという事。
そんな「地蔵盆」ですが、どのような行事なのか気になりませんか?
そこで、
- 地蔵盆とは?
- 地蔵盆はいつ行う行事?
- 地蔵盆の由来とは?
- 地蔵盆にお供えするものは?
…についてまとめたので、関西を訪れる際にはぜひ体験してみましょう。
地蔵盆とは?
地域のお地蔵様を

地蔵盆は近畿地方、特に京都で盛んに行われている風習。その他では北陸・東北の一部で行われていますが、それ以外の地域ではほとんど知られていません。
地蔵盆を簡単に言ってしまうと、お地蔵様(地蔵菩薩)にお供えなどをする行事。それも地域でまつっている、お地蔵様に対して行われています。
そのため地域の行事という側面が強く、お祭りのように楽しみにする子供も多いんですよ。
地蔵盆は何をするの?

地蔵盆ではまず、お地蔵様を磨き上げて、新しい前掛けと頭巾がつけられます。
またお地蔵様の周りには、紅白の提灯がいくつも灯されます。提灯に子供の名前が入っていることがありますが、これは子供が生まれたら奉納する風習があるからです。
女の子は赤・男の子は白の事が多く、子供が参加している間はその提灯が毎年飾られるんですよ。
地蔵盆ではお菓子とお賽銭をお供えしますが、お菓子はあとで地域の子供に振舞われるのが一般的。
さらにお参り後に料理が振舞われたり子供向けのイベントを行うなど、お祭りの側面もあるんですよ。
□地蔵盆!
https://youtu.be/4BQWNMGwzIA
*地域によっては、あらかじめ子供に配るお菓子を用意している事もあります。
地蔵盆はいつ行われるのか?
地蔵盆は毎月24日に行われる行事ですが、通常は「お盆に近い旧暦7月24日前後」を指します。
ただし旧暦7月24日は、現在の暦にすると9月頃になってしまいます。そこで地域によっては、次の日に地蔵盆が行われます。
- 新暦(現在の暦)の7月24日前後
- 月遅れの8月24日前後
関西はお盆が8月の事が多いので、現在の暦の7月24日前後というのは少数派。現在主流となっているのは、お盆直後で夏休み期間中のことが多い8月24日前後の日程です。
地域によって、
- 8月23日・24日の2日間
- 8月23日・24日・25日の3日間
- 8月24日のみ
- 8月24日に近い土日
など、日にちが違うことがあるので、確認しておくようにしましょう。
地蔵盆の由来は?
子供の守り神
地蔵盆が行われるようになったのには、いくつかの説があります。
特に有力な説として、「お地蔵様が子供を守ってくださるから」というものがあります。
お地蔵様の本当の名前は、「地蔵菩薩」(じぞうぼさつ)という子供を守ってくれる仏様。その範囲は生きている子供だけでなく、親より先に死んでしまった子供にも及びます。
親より先に亡くなった子供は、賽の河原(さいのかわら)という場所で延々と苦しむという逸話が。しかし地蔵菩薩はこういった子供達を守り、導いてくれるというのです。
そこで子供が率先してお地蔵様をお参りする、地蔵盆が始まったんです。
閻魔様を救って
もうひとつの説は、平安時代の歌人・小野篁(おのの たかむら)の伝説が基になったというものです。
小野篁は朝廷内でも高い地位を持つ人でしたが、夜になると地獄で閻魔大王の補佐をしていたとか。
ある晩いつものように小野篁が地獄に赴くと、そこには死者に代わって地獄の炎で焼かれる閻魔大王の姿が。それを見た篁が閻魔大王を慰めるために始めたのが、「地蔵盆」だというのです。
閻魔大王は一節によると、地蔵菩薩の化身の1つ。怖い閻魔大王と優しそうなお地蔵様が実は同じ方だというのは驚きますね。
地蔵盆のお供えはどうする?

どういった物をお供えするの?
地蔵盆にお供えするものは、後で子供に配られることがほとんど。そのためお菓子が最適で、特に個別包装されているものが衛生面でも安心です。
その日のうちに食べるのであれば、昔ながらのおまんじゅうもおすすめ。地蔵盆を行う地域のスーパーでは、地蔵盆用のお菓子セットも販売しているので活用しましょう。
お賽銭の金額の相場は?
お菓子とともに必要となるお賽銭ですが、紅白の水引がついた「のし袋」に入れて奉納するのが一般的。
金額は一家族で3000円前後が相場となりますが、町内会で先に1000円程度の徴収を行う場合もあります。更には家族とは別に、子供がお参りする際に100円~500円程度をお賽銭として奉納することも。
地域によって風習に違いがあるので、わからない場合は年配の方に聞くのが確実ですね。
地蔵盆は関西では大切な行事
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地蔵盆は主に関西(特に京都)で行われている行事で、他の地方ではほとんど見かけることはありません。
しかし関西、特に京都の方にとっては馴染み深く、他の地方にないことを驚く人もいるほどです。
最近では少子化の影響もあり、規模を縮小したり休止する地域も。しかし地蔵盆を楽しみにして帰省する人もいるなど、関西のお盆には欠かせない行事のひとつ。
子供が無事成長することを地域で祈る、地蔵盆という風習は長く残って欲しいですね。
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