近では生活様式の変化などもあって、昔からの風習やしきたりなどがすたれつつあります。しかしお正月に関しては別でして、各家庭で伝わる風習などを守るという人も多いのではないでしょうか。

そんなお正月の風習の一つにあげられるのが、元旦にいただく
「おとそ(お屠蘇)」

お屠蘇といえば、名前は知っているけれど、飲み方作法、また入手方法作り方がわからない…。
という方も多いのではないでしょうか。

そんな方に紹介したい、お屠蘇の作り方と正しい飲み方や作法についてまとめました!

お屠蘇の作り方

お屠蘇とは?

お屠蘇(おとそ)とは、屠蘇散と呼ばれる生薬を漬け込んだ日本酒のこと。独特の香りと甘味があり、やや好き嫌いの別れる風味が。

しかし、お屠蘇を飲むことにより、厄払いと一年の健康を願うという意味があります。

そのため元旦に飲んだり、年始回りのお客様へ振舞われるんですよ。

おとそ

材料を揃えよう

お屠蘇を作るには、次の材料が必要です。

    • 日本酒

普段飲まれている日本酒でOK。辛口・甘口など上質な日本酒を用意しましょう。また熊本県で使われている、甘味の強い「赤酒」を使う方法もあります。

    • 本みりん

料理でお馴染みですが、必ず「本みりん」を使いましょう。料理酒などには法律の関係で砂糖や塩が入り、せっかくのお屠蘇の味が変わってしまいます。

ちなみに赤酒を使う場合は、本みりんは不要です。

    • 屠蘇散(とそさん)

お屠蘇のメインとなるもので、5~10種類の生薬を粉末状にしたもの。年末になるとスーパーやドラッグストアで、200円ぐらいで販売しています。

また年末に日本酒を購入すると、ついてくることもあります。

屠蘇散に使われている生薬ですが、漢方やハーブとして使われているもの。

香辛料の山椒や、香りづけでお馴染みの肉桂(シナモン)などはお馴染みですね。屠蘇散の生薬には、胃腸回復や風邪に効果があるので冬に嬉しいものばかりです。

お屠蘇のレシピ

材料が揃ったら、お屠蘇を作ってみましょう。

■お屠蘇の材料
  • 日本酒とみりん 合計300ml
  • 屠蘇散     1袋

※日本酒とみりんは基本は半々です。ただ甘めが好きならみりんの割合を多めにしても良いでしょう。

■お屠蘇の作り方
  1. 日本酒とみりんをあわせる。
  2. 屠蘇散をティーパックなどに入れる。
  3. (2)を(1)に浸す。
  4. 6時間ほど置く。
  5. 屠蘇散をとり出して完成。

□お正月は、お屠蘇(おとそ)でお祝いしましょう!
https://youtu.be/RPhKd-Odb0c

*最初の方で、ゆるくお屠蘇の作り方を紹介しています。こちらは後でみりんを混ぜてますね。

作り方のポイントはあまり長く屠蘇散を浸さないこと。長時間置くとお酒が濁ってしまいます。また取り出す際もティーパックを押して絞りだすと、濁ってしまうので要注意

大晦日の夜に浸し、元旦に取り出して頂きましょう。

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お屠蘇の正しい飲み方や作法

準備するもの

お屠蘇を頂く際に、可能であれば「屠蘇器(とそき)」を用意しましょう。

屠蘇器とは、次の道具がセットになったものです。

  • 朱塗りまたは錫(スズ)製の急須型のお銚子(お屠蘇を入れる)
  • 三段重ねの杯(お屠蘇を頂く)
  • 盃やお銚子を乗せる、朱塗りのお盆
  • 盃を乗せる台(無い場合もあります)

屠蘇器がない場合は、日本酒にふさわしい小さめのグラスで代用。お銚子の代わりには、ガラスの急須ティーポットを使うのも良いですね。

これらの急須に正月飾り水引を結べば、普段使いのものでもおめでたい日の器となりますよ。

お屠蘇

お屠蘇を頂く手順

地方によって作法は異なる場合がありますが、一般的には次の作法でいただきます。

  1. 元旦最初に組み上げた水(若水)で、手を洗って清める。
  2. 食事の前に家族全員集まり、東の方角を向く。
  3. 最年少者が盃を持ち、最年長者が三回に分けてお屠蘇を注ぐ。
  4. 飲む人は「一人これ飲めば一家苦しみなく、一家これ飲めば一里病なし」と唱える。
  5. お屠蘇を三口で飲み干す。
  6. 年齢の若い順に、3~5を繰り返す。(ただし厄年の人は最後に頂く)

年少者からいただくのは、年長者に若さと健康を分け与える意味があります。

また、本来のお屠蘇の飲み方は、三段の盃全てに注いでそれぞれ一口で飲み干すというもの。しかしお屠蘇は味の好みが分かれますので、無理にこの方式にする必要はありません。

【関連記事】
若水の読み方と意味について。変若水との違いは?

お屠蘇の飲み方のポイント

  • 神棚や仏壇がある家庭は、お屠蘇を頂く前に必ずお参りをする。
  • 男性は左手、女性は右手で杯を持つ。
  • お屠蘇を飲む間は、食べ物を口にしない。
  • 三が日の間に訪れたお客様にも、お屠蘇を振る舞う。
  • お屠蘇はお酒なので、未成年者は口にしない。

神棚や仏壇がある家庭の場合、毎朝必ずお参りしてるでしょうから大丈夫ですよね。

またお屠蘇はお酒として嗜むものではないので、おつまみなどは不要。お客様にお出しするときも、お屠蘇を振る舞ってからごちそうとお酒を振る舞います。

そして一番重要なことですが、お屠蘇はお酒です。未成年者や妊婦、車に乗る予定のある方は飲むマネだけにしましょう。

年の初めだからこそ

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おとそ(お屠蘇)の意味や由来とは?普通のお酒とは違うの?

お屠蘇(おとそ)は簡単に言ってしまえば、和風ハーブ酒。少量を頂くものなので薬効は期待できませんが、飲んだという雰囲気こそが大切です。

飲み方の作法に関しても、家族揃って元気でいられることを願うもの。お屠蘇の作り方も簡単ですし、屠蘇器もあると正月気分が更に高まります。

年に一度の元旦に、家族そろってお屠蘇(おとそ)で厄払いをしませんか?

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